エディターズノート

「RiCE」第11号「スパイスカレー」特集に寄せて


Hiroshi InadaHiroshi Inada  / Sep 11, 2019

手にとって驚かれた方も多いと思います。令和最初の「RiCE」は、前号までを一つの区切りとしてリニューアルすることにしました。判型もデザインも一新し、バイリンガルをやめて本文を横書きから縦書きにしたことで、雑誌の開きが逆になりました。新連載もたくさん始まりますし、テキストの濃度はかなり高まっているはずです。

以前の内容やスタイルを支持してくださっていた読者の方からは戸惑いの声もあるかもしれません。しかし、あえて「RiCE」は変化の道を選びました。そしてそれは、進化し続けるフードカルチャーを標榜する本誌にとっては必然なのです。

リニューアルとなる第11号は「スパイスカレー」の特集。
日本の国民食としてのカレーについては第3号で特集をしましたが、スパイスカレーはまさにその進化形です。

言葉としては、「カカオ入りチョコレート」と言ってるようなもので、おかしな日本語英語の典型でしょう。初出については水野仁輔さんが上梓したレシピ本『かんたん、本格!スパイスカレー』が最初という説が有力らしく、2010年5月に上梓されているのでそれほど昔じゃありません。

家カレーに代表されるルウで作るカレーに対してインド本来のスパイスで作るカレーを指していたのですが、ここ数年は大阪発のスパイスカレーブームが盛り上がるにつれ、ルールに囚われないフリースタイルなカレーを指すようになってきました。今現在でいうとどっちも正解。つまり言葉が揺れている。その変化が象徴するように今、大阪に限らずスパイスカレーは百花繚乱ともいうべき活況を呈しています。

変化と進化を繰り返しながら、作り手と食べ手が手を携えて盛り上がっている。その一方、スパイスカレーにはたくさんのレシピ本が出続けている通り、実際に作って食べる中間層が沢山いて、彼らがカレーを媒介に繋がることで様々なコミュニティが生まれ、今夏にかけてのカレーフェスやイベントなどは枚挙にいとまがないほど。現在進行形のスパイスカレーブームは、未だかつてない規模でサブ/メインカルチャーへと昇華しています。本誌も彼らカレープレーヤーたちに負けないよう、変化の波をサーフする勢いで楽しんでいけたら。新しくなった「RiCE」があなたにとってのスパイス・オブ・ライフ”になれたらなおのこと嬉しいです。

RiCE」編集長 稲田浩

 

当記事はRiCE No.11「スパイスカレーの深層」の記事をWEBサイト用に再編集しています。RiCE No.11の内容を見る


CREDIT
Illustration: Masakatsu Shimoda

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