
バーテンダー直伝!
新しい“沖縄の酒”「kagan Vol.2アブサン」でつくるオリジナルカクテル①
沖縄にて新たな酒造りへの挑戦を続ける[南島酒販]。今年の春からは泡盛ではない、“沖縄の酒”を探索する新ブランド「kagan」を展開。第1弾の「kagan Vol.1 たんかんスピリッツ」に続き、シリーズ第2弾「kagan Vol.2 アブサン」がリリースされた。
その「kagan Vol.2 アブサン」を使用したオリジナルカクテルを考案してくれたのが、世界各国より厳選したアブサンを約90種類揃える、東京都・小岩[WunderBar Ars]の小田さん。
小田悠太
[WunderBar Ars]のオーナーバーテンダー。
前職である世界史の教師時代にアブサンに目覚め、バーテンダーの道を志す。
都内のアブサン専門バーに勤務した後、2023年に[WunderBar Ars]をオープン。
知識に裏打ちされた語り口と至高の1杯を求め、全国からアブサンファンがここ[WunderBar Ars]に集まる。
「ベーススピリッツに泡盛を使用していることもあり、良い意味でワイルドな印象を受けました。一般的なアブサンが原料のアルコールについてあまり着目されない中で、泡盛を使用しているところがこのアブサンを特徴づけていると思います」
この新しいアブサンを“沖縄の酒”たらしめている泡盛ベースであることにも触れながら、さっそく1杯目のカクテルを披露してもらった。
カクテル①「AbSol Kagan」レシピ
kagan Vol.2 アブサン 20ml
スーズ 15ml
ビターズ 3滴
トニックウォーター 適量
グレープフルーツジュース 適量
*トニックとグレープフルーツジュースは半々の分量でグラスを満たす
各リキュールと一緒にステアしたら、仕上げにミントを添えて。
「kagan」らしい南国感ある印象の一杯。
はじめに提案してくれたのは「AbSol Kagan」。
「とあるアブサンカクテルと、ラムを使用したソル・クバーノ。この2つのカクテルレシピを合わせるようなイメージでつくりました。カクテル内で使用している「スーズ」は土っぽい印象のリキュールなのですが、これを「kagan Vol.2 アブサン」に合わせることによって泡盛のワイルドさを少しだけ調和させるイメージです。それにアブサンと「スーズ」、どちらもトニックウォーターとグレープフルーツがよく合います」
さっそくいただこうと、グラスを口元に近づけて香るのは、たっぷりと添えられたミントの清涼感。これが、アブサンの原料の1つでもあるアニスのハーバルな飲み口へと繋ぐ。その後に続くのはグレープフルーツの甘みや「ワイルド」と小田さんが表現した「kagan Vol.2 アブサン」のうまみだ。
薬草系リキュール特有のハーバルな香りを最初に感じつつ、うまみもしっかりと感じ取れるところに「kagan Vol.2 アブサン」の存在感がある。
「ワイルドとは言ってもあくまでアブサン。やはり緑や青のイメージが浮かびますよね」
カクテル②「Noble Savage」レシピ
kagan Vol.2 アブサン 25ml
JFK GIN ROYAL PYTHON グレープジン 20ml
ベネディクティン 10ml
ハチミツ 1tsp
レモンジュース 10ml
リンゴ 適量
セロリ 適量
ルッコラ 適量
リンゴ、セロリ、ルッコラを「kagan Vol.2 アブサン」が吸着するまですりつぶす。
ミキサーで撹拌したものをシェイクしたら、濾しながらグラスへ。
添えられたのはセロリの葉と抹茶。青々しく統一された仕上がりに。
「野菜を使ったらおもしろいなと思いました。もともとアブサンはセリ科やウリ科の野菜と相性が良いですし、甘く仕上げるよりも青々しい完成形。そんなイメージを味わいから想像できました」
2杯目に考案してくれたのは、「Noble Savage」。見た印象そのままにルッコラを筆頭にした青汁のような滋味深い味わいが口いっぱいに広がる。それでいながら、アブサンのハーブ香やフルーティな味わいをしっかりと感じる一杯だ。
「野菜だけだと青汁そのものになってしまうので、グレープとリンゴを原料としたジンやハチミツを使用することでバランスを取っています。それに加えて、実は野菜ともうひとつ、歴史的なストーリーを背景にカクテルを考案できたらと思いまして。使用しているジンはヨーロッパのジンなのですが、聖書に登場するアダムとイブが食べた禁断の果実とされるのがリンゴなのです。そして神話的な話でいうと、このジンの商品名にもなっているヘビが這った場所にはじめて生えたハーブがニガヨモギ。そんな背景を持つジンが、ニガヨモギを原料とするアブサンと出会う。それも国境を超えて泡盛ベースの「kagan Vol.2 アブサン」と。もちろん味わいをベースにしていますが、神話的なストーリーを補完、構築する形でカクテルをつくりました」
かつて偉大な芸術家たちに飲み親しまれたり、国によっては禁酒とされていた過去があるだけに歴史的な背景を多く持つアブサン。それを歴史に造詣の深い小田さんの視点で噛み砕き、個性ある一杯に仕上げてくれた。
最後に、2種類のカクテルをつくってくれた小田さんに「kagan Vol.2 アブサン」の印象をあらためて尋ねた。
「一般的に原料のアルコールにこだわらないながらも、世界的な動きとしてグラッパやブランデーをベースとするアブサンが増えてきています。それはアブサンがヨーロッパ中心に飲み親しまれているお酒で、ヨーロッパはブドウを潤沢に使えるという地理的な背景からです。今回の「kagan Vol.2 アブサン」が“沖縄の酒”として泡盛ベースで製造されていることはまさに地理的な背景からですし、やはりこのアブサンの最大の魅力だと思います。トニックウォーターやセリ科と合うといったテクニカルなことももちろん必要ですが、地域性や歴史的な背景も加味すると、「kagan Vol.2 アブサン」のアイデンティティを活かすことに繋がります」
取材中、「チャレンジ精神を刺激される」と味わいの印象を口にした小田さん。その背景には従来のアブサンカクテルのレシピでは一筋縄にいかないケースもあったからだそう。だからこそ、小田さんの言う「テクニカル」以外の背景に目を向けることが大切なのだろう。そして、その試みは新たな味わい、まだ見ぬアブサンカクテル追求の一歩となる可能性に満ち溢れている。
ぜひ刺激に満ちた沖縄県産初となるアブサンを手に取り、大いに想像を掻き立ててみてほしい。
◎kagan Vol.2 アブサン 60度
沖縄県産のワームウッド(ニガヨモギ)・フェンネルを使用した初の県産アブサンとなります。ボタニカルにはその他にもリュウキュウヨモギ・ニシヨモギ・カラキなどの県産素材を積極的に活用し、ベーススピリッツは2回蒸留泡盛を使用した沖縄の風土を感じられる、ブランシェスタイルのアブサンです。
https://shimmer.okinawa/products/kagan-vol2
・希望小売価格:7,700円(税抜)
・発売地域:全国
・発売日:2025年6月18日
・販売先:お近くの酒販店様または[南島酒販]営業 徳満様(tokumitsu@nanto-shuhan.com)までお問い合わせください。
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