上原・池尻の人気居酒屋「ランタン」の新店舗がいいんです。

東北沢[ランタン はなれ]は、きっとお気に入りの酒場になる


RiCE.pressRiCE.press  / Mar 1, 2024

代々木上原にフレンチビストロ[Maison Cinquante Cinq(メゾン サンカントサンク)]、居酒屋[Lanterne(ランタン)]などを展開する、丸山智博さん率いるシェルシュから、今年1月20日に[ランタン はなれ]がオープンしたというニュースが届いた。

場所は、同グループが昨年末まで[ごらく]として営業していたのと同じ建物。かつては、おでんの名店[おかめ]だったところだ。東大駒場キャンパスの北門、ギャラリー[FOOD FOR THOUGHT]やラーメン店[千里眼]、[フレッシュネスバーガー]の1号店がある通り、と言えばイメージが湧く人もいるのでは。小田急線・東北沢駅から徒歩5分ほどのところに佇む小さな門構えは、たしかに“隠れ家”と呼びたくなる。

店の佇まいは、2020年9月末に惜しまれつつ閉店した[おかめ]のそれをしっかりと今に残していると言っていい。

「代々木上原でお店をやっていた僕たちにとって、おかめは大好きなお店でした。周りの人たちもみんな集まってくる場所」と、シェルシュの代表でシェフの丸山さんはありし日の名酒場を振り返る。「その素晴らしいところを受け継いで、この場所で僕たちがお店をできたら」と、[おかめ]が閉店したと知ると真っ先に手を挙げ、2021年から居酒屋[ごらく]をスタートさせていた。

今も[おかめ]の照明看板がさりげなく飾られている

1階の内装は、おかめ時代からほぼ同じまま。コの字カウンターがキッチンを囲み、大人な一体感が生まれる

集大成であり、将来を見据えた一歩

そして今年、[ランタン はなれ]と銘を打ち、新たなチャプターへと突入。オープンから1ヶ月が経ち、平日週末を問わず賑わいを見せている。

[ランタン はなれ]のロゴデザインは、イラストレーターのRyuto Miyakeさんによるもの。クマゲラというキツツキをモチーフにして、「旨い酒を片手に料理をつついてほしい」という願いを込めた

丸山智博さん

[ランタン]といえば、代々木上原と池尻大橋に店舗を持ち、フレンチと和食を組み合わせた料理をカジュアルに楽しめる居酒屋として若者を中心に人気のお店。丸山さんは、[ランタン]は世界に通じるポテンシャルを持っていると感じていて、今後さらにその力を伸ばしていきたいと考えているという。

「ビストロとピタサンドの[メゾン サンカントサンク]、居酒屋の[ランタン]、そして器ギャラリーの[AELU]という3つの柱ができてきて、それぞれを強く育てていきたいと考えています。最近は海外に行くこともまた増えてきて、将来的にパリでお店をやりたいという思いが強くなってきたんです。まだ予定とまではいきませんが、そのことをちゃんと意識して日々やっていこうと。[ランタン]の和食要素は海外ですごく評判がよかったので、それをブラッシュアップすることで可能性が広がるはず」

フレンチと和食を融合させた料理に、作家ものの器のエスプリ、かつての名店の空気感を纏わせ、国籍や年代を問わずにお酒を楽しむ。そんな[ランタン はなれ]は、シェルシュの集大成であり、また将来に向けた挑戦の始まりでもある。

焼酎・日本酒を愉しむための新ランタン流おつまみの数々

[ランタン はなれ]のメニューをいくつかご紹介。まずは、手づくりの「出来立て鍋豆腐 生胡椒と塩」。中央に房でのる生胡椒が、香りと食感の特徴を添えてくれる。ぷちっとジューシーな食感から広がる爽やかなフレーバーが、やさしいお豆腐と絶妙なデュエットを披露。

一皿がひとつの花のように盛り付けられたチコリー。その1枚ずつに青リンゴ、ブルーチーズ(フルムダンベール)、チョリソー、胡桃がのるピンチョス感覚のサラダ。一口つまめば、お酒が三口くらい進みそうな美味しさ。ビストロセンス感じる、らしさ満点の前菜だ。

[ランタン はなれ]でもから揚げは名物メニュー。写真左手、鬼おろしが添えられているのは、上原・池尻でも人気の鶏のから揚げ。[ランタン はなれ]では、マルカン酢のすだちポン酢を使用し「鶏のから揚げ おろしポン酢」としてアップデート。

右上は[ランタン はなれ]の新名物「鶏のねぎまから揚げ」。大山鶏でねぎを包んで揚げた新メニュー。ねぎは茨城県の農家・野上さんが育てる、ポワローという西洋ネギ。茎が太く、甘みがあるのが特徴だ。それに火が通ったときの香ばしさと甘さ、そして絞ったすだちの酸、さらにマレーシア産黒胡椒のスパイス感を、ぜひ感じてみてほしい。

お肉よりお魚派という人のために、「魚のから揚げ」も季節によってオンメニュー。写真では、鯛が使われている。イタリア・シチリアにあるリノーザ島という火山性の島で採られるケイパーと一緒に仕上げられている。島で手づくりされるというこのケイパーはほどよい塩味と旨みで、味わいに広がりをもたらしてくれる“小さな力持ち”。

写真と文章だけになるのが申し訳ないほどだが、きっとこんなお酒が飲みたくなってくるのでは。

鹿児島県霧島市[中村酒造場]の「玉露 甕仙人」を炭酸割りで。もう一杯は、北海道札幌市[紅櫻蒸溜所]の「9148 #0101」というジンのソーダ割り。

他にも店内にはさまざまなボトルが並んでいて、酒飲み心は大いにくすぐられるはず。気になるボトルや好みの味わいがあればスタッフに伝えて、ぜひ新しいお酒との出会いを増やしてみてほしい。

締めには土鍋ごはんを外したくはないだろう。写真は「牡蠣と舞茸の土鍋ごはん」。牡蠣は、ぷっくりした肉感が失われないように、別でソテーした上で、ごはんの蒸らし段階で合わせるという一手間。香りも味もご想像の通り。

さらにはエスニックテイストの「アジア風 かしわ土鍋ごはん」もあるとのことで、注文するときには迷ってしまいそうだ。

1階のカウンター席。右奥の階段からは2階席へ上がることができる
テーブル席でゆったり過ごせる2階。白基調の空間も心地がいい。ごらく時代に導入した[小松音響研究所]の真空管アンプも

友達の家に遊びにきたかのようにゆったりくつろげそうだ。2階席は3名以上の利用が基本。事前の相談がスムーズ

オープンからひと月、あらためて訪問してみた

「気持ちを込めた料理を用意することができたので、お酒好きの人たちはもちろん、かつての[おかめ][ごらく]の常連さん、あるいは海外からお客様も、いろんな人たちに集まってもらえるような場所になればと思っています」と、オープニングレセプションで語っていた丸山さん。

その願いはオープンから早1ヶ月でありながら、現実となっているといえそうだ。つい先日、平日の夜に伺うと、カウンターでは思い思いに食事を楽しむお客が並んでいた。BGMにちょうど流れていたのは、Jorja SmithやEzra CollectiveなどUKジャズアーティストが参加しブルーノートの名曲をカバーした『Blue Note Re:imagined』。これだけで来てよかったと思えてしまうが、料理も酒も素晴らしい。

先付けとして、白菜のすりながし、春菊のからし酢味噌和えの2品。和な前菜は、きっと海外から来たであろうカップルにもうってつけだったはず。そんなことを思いながらドリンクは、オリジナルの漬け込み酒をオーダー。この日は、ティムールペッパーとカカオニブを漬け込んだ黒糖焼酎と、乾燥させたキノコの軸を漬け込んだ芋焼酎。前者はソーダ割り、後者はお湯割りで。自然な味わいにほっとする。

料理メニューも迷うほど充実している。「寒鰤とパクチーのセビーチェ 金胡麻風味」「ひきわり納豆と大和芋の磯辺揚げ」「明太子の粕漬け」などなど、冷菜温菜酒のあて、どれを食べてもお酒が旨い。

友人知人と一緒でも、おひとりさまでも、訪れればきっとお気に入りの酒場がひとつ増えるはず。

ランタン はなれ|LANTERNE HANARE
東京都渋谷区上原3-25-9
17:00~23:00 (LO 22:00)
水曜定休
TEL 03-6416-8380
IG @lanterne_hanare

Photo by Kumi Nishitani(写真 西谷玖美) IG @___umum
Text by Yoshiki Tatezaki(文 舘﨑芳貴)

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