茶縁

お茶はクスリ!? 5000年以上愛されてきたお茶の歴史


Nobuyoshi TajimaNobuyoshi Tajima  / Mar 2, 2018

お茶の原産地は中国。
「中国4,000年の歴史」といわれますが、中国茶の歴史は約5,000年だともいわれています。古代の中国のことになると、1,000年古いからといっても、あまりピンとこない人が多いかもしれませんが……
とにかく長い歴史があるんですね。
お茶を嗜好品として飲んでいる現代人にとって考え難いのですが、ずっとずっと祖先達はお茶をクスリとして煎じたり、食べ続けてきました。
たぶん苦いお茶を「良薬口に苦し」といって飲んだり、食べたりしていたのでしょう。
日本には平安時代に緑茶が中国より輸入され、やはり嗜好品というよりはクスリや養生として消費されていました。

現在、お茶は緑茶、烏龍茶、紅茶、プーアルなどいろいろとありますが、すべてお茶の木の葉っぱから作られます。
「お茶は南方の嘉木である」と言われているように南方の温かな場所で育ちます。日本では南は屋久島から北は新潟までお茶が作られています。
現在でも中国には2人してやっと抱えられるくらいの巨大な古い茶樹が点在しており、茶樹年齢2,000年以上の神様級のものまでも存在するというからスケールの大きさに圧倒されます。一般的に樹齢100年以上の茶樹は「古樹」(こじゅ)と呼ばれており、古樹は原産地で育った昔ながらの貴重な在来の品種でもあります。

▲ 古樹から摘んだ生葉

以前、私は雲南省に行き、いくつかの産地の古樹を訪ねました。800年以上の古樹の前に立った時、静かな佇まいの中に力強い生命力を感じたのを今でも鮮明に覚えております。

▲ 800年くらいの古樹

森羅万象の恩恵を受けて育った古樹のお茶は、甘味・苦味・酸味などの味わいが濃厚で峻烈なフルボディータイプのものがたくさんあります。
良質な古樹のお茶は、滋味豊かで飲んだ後も香りの余韻が長く続きます。
そのお茶は「生プーアル茶」と呼ばれているお茶で、もし古樹のものがあったらぜひお試しください。

▲ 古樹の生プーアル茶

ちなみに、古樹のお茶の味わいに魅了される人も多く、どんどん価格も上昇しており、古樹でないものとブレンドされて売られているケースもたくさんあり要注意です。

古来よりお茶が養生やクスリとして飲まれ続けてきたのは、あらゆる人種の民族習慣にマッチングして、健康増進作用もあったからだと思います。

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