日本茶専門店店主に20種も飲み比べしてもらった!

日本茶AWARD受賞茶が揃う「TOKYO TEA PARTY 2023」が11月24〜26日に渋谷ヒカリエにて開催


RiCE.pressRiCE.press  / Nov 23, 2023

いよいよ寒い日が増え、あたたかいお茶がほっとするこの季節。「日本茶AWARD」では、一般消費者の支持を集めた「今年もっともおいしいお茶」が「日本茶大賞」として選ばれる。その発表会である「TOKYO TEA PARTY 2023」が、2023年11月24日(金)から26日(日)、渋谷ヒカリエの8階で開催される。

「日本茶AWARD」は日本茶、中国茶、コーヒーのほか食の専門家と、約1,000名の一般参加者がお茶の審査を行う。日本茶の新たな価値を“飲む人目線で”発見し、その魅力を広める目的で2014年から開催されている。

10年目を迎える今年は、バラエティー豊かな産地・製法のお茶559点が出品された。「萎凋(いちょう)茶部門」や、ペットボトル飲料などを対象にした「日本茶飲料部門」も新たに加わり、全部で14もの部門があるが、どれも見逃せない。

 

会期中は授賞式、出品者による解説つきの「ティーセミナー」も行われる。受賞茶は少量づつセットされたプラチナ賞受賞茶のアソートセットなど、会場で購入も可能だ。トークショー「発酵×日本茶」では、小倉ヒラクさんと[櫻井焙茶研究所]の櫻井真也氏の対談も。[多田製茶]多田雅典さん、[辻調理師専門学校]日本料理講師の若林聡子さん、[青鶴茶舗]店主ヴェーグ・フローランさんによるワークショップ、日本各地から番茶の作り手が集まりその魅力を紹介する談話会も開催される。

受賞茶飲み比べ会をしてみよう

出品総数559点のお茶から、一次審査(8月)、二次審査(9月)を経て、プラチナ賞20点・ファインプロダクト賞29点・審査員奨励賞40点・高宇政光賞1点が選ばれた。10月からは各地で三次審査が行われ、プラチナ受賞茶の中から日本茶大賞、日本茶準大賞が選ばれ、25日(土)に発表される。

そこで今回、RiCE.pressではプラチナ受賞者20点の飲み比べを(全国の公式審査が終わった後、非公式に!)実施。気鋭の淹れ手お二人に集まっていただいた。

会場は蔵前にある日本茶専門店(現在改装休業中)[a drop . kuramae]

狭山の茶農家[奥富園]の園主であり日本茶AWARD 2023の広報部長も務める奥富雅浩さん(右)が20点の茶葉を提供してくれた。非公式審査員としてご協力いただいたのは、[a drop . kuramae] 店主のべったなさん(中央)と下北沢[﹅-TEN-]店主 青木真吾さん(左)

抽出の条件をそろえるため、茶葉を入れた茶碗に直接熱湯を注いだ。茶葉のブレンドや評価をするときによく行われる方法で、茶葉に含まれる苦み、うまみなどすべての要素が出る

奥富 今日は審査というよりは、自由に感想を言いながら飲んでいきましょう。

べったな 気になるのは[お茶処しまだ](長崎県)の「つゆとろり」すね。今熱湯で淹れてしまったんですけど、淹れ方を変えて飲んでみたいですね。多分もっと違う味をイメージしてつくられているはず、な気がします。でも、どれも甲乙つけがたいですね。

青木 どれも煎茶ですが、グリーンの色味も濃さも全然違いますよね。並べるとさらに差が分かります。同じ条件で淹れてますけど、青みが強かったり黄色みが強かったり……濃さもこんなに違うんですね。

べったな 「嗜好品」として見るのか、「普段のお茶」として見るのか。つくりの技術を見ようとするのかでも印象が変わりますよね。自分はけっこう素朴なのが好きですけど。

—— べったなさんくらい色んなお茶を色んなところで飲んできていると、一周二周くらいして、そういうお茶を愛すようになるかもですね。

奥富 まさに、飲む人によって評価が変わるのも難しさであり、またおもしろさですよね。一般の方の審査とプロの審査では結果に乖離が起こるんです。大学でも審査をやらせてもらっているんですけど、若い人は香りのいいお茶が好みで、渋みが強いと敬遠しがちといった傾向があったりして、お茶つくっている身としても面白いなぁと思うんですよ。

例えば、よく聞く「深蒸し」と呼ばれる煎茶では、しっかりとした苦みのある味わいが昔から人気だったが、最近は旨みが際立ったものが人気になってきていると奥富さんは分析する

青木 二番茶部門の[長峰製茶株式会社](静岡県)「袋井豊沢茶 丸尾製茶つゆひかり2nd」も、面白いですね。お店ではお茶割りを作るときに「キンミヤ」(宮崎県でつくられる甲類焼酎)を使っているのですがそれは甘みがあるので、苦みがあるお茶を合わせたほうがコクが出るんです。淹れ方もあえて熱湯で出しているくらい。これはキンミヤに合いそうです。

べったな え、キンミヤありますよ?(笑) ほうじ茶って、煎茶と比べるとじっくり飲んだことが少なかったんですけど、どれもおいしいですね。隅々まで考えてつくられている。“部屋入る時から出る時まで綺麗な感じ”ですね。

青木 [木村園 木村和彦](静岡県)「『祝』祝い茶」は茶葉が9グラムも入ってましたが、その分量で淹れたことなかったんで驚きましたね(他は4〜5グラム前後)。あの分量でも渋くなりすぎずにかなりまとまりを感じましたし。どう淹れるのが正解だったか、聞いてみたくなるお茶でした。

べったな 深みとか、ぶっとい感じはある、でもネガティブではないっていう印象でした。

奥富 このクラスのお茶だから9グラムでもおいしく飲めるんですよね。

13の部門には、煎茶4部門のほか、二番茶、釡炒り茶、蒸し製玉緑茶、烏龍茶、紅茶、後発酵茶、ほうじ茶、煎茶ティーバッグ、フレーバーティーなどもある

微妙なせめぎ合いを楽しみたい

——では20種飲んだとところで、お二人それぞれが「もう一度飲んでみたい」と思ったお茶を、急須で淹れてみましょうか。

「つゆとろり」を淹れるべったなさん。夏に台湾を訪問した際に「お茶がやけどしないように」お湯は静かに注ぐことを現地の淹れ手から学んだそう。それに倣い急須に添わせるように、少し冷ましたお湯をやさしく注ぐ

べったな (一口二口飲んで)なんか……もうちょっと強さがあってほしかったですね(笑)。俺の欲しい(強い)部分がなくなっちゃった。

青木 美味しいですよ。とろりとしましたね。“お茶のやけど”を意識しすぎたね(笑)

べったな かもしれないすね(笑)

べったなさんの道具を借りて「袋井豊沢茶 丸尾製茶つゆひかり2nd」淹れる青木さん。「アウェイです……」と言いながらも安定感がある

青木 一回目に熱湯を注いで出した時と急須で淹れた時で味のギャップがすごい。またイメージが変わりましたね。

奥富 急須で淹れると、やっぱり「どれもおいしく」入るんですよね。熱湯を注ぐ方法で試飲するのは、特徴が出ておもしろいかもしれませんね。

べったな 今回みたいに、お茶の水色(すいしょく)の違いがどうして出るのかとか、奥富さんみたいな方に解説してもらいながら飲むだけでも感動できますよね。いろんなお茶が身近になるような気がします。(お茶をつくる過程の)蒸し時間の微妙なせめぎあいとか、そういうことまで飲む人がわかるようになるとすごくおもしろいことになるだろうな……。

——どんなことを感じながら飲みました?

青木 うちのお店はお茶割りとかブレンド茶がよく出るので、組み合わせたらどうだろうってつい考えがちなのですが、今回はまずお茶としてストレートに味わってみました。自分の中で「何のお茶が好き」っていう好みが実はなくて。毎回フラットに、なるべく直観的に感じようと思っているのですが、これだけの種類を飲み比べられて楽しかったですね。

べったな 自分はお茶のつくり手の意図を感じたいなと思いながら飲んでました。考えたところで当たってないかもしれないし、そもそも当てる必要はないんですけど、想像してました。自分も今年からお茶つくってるんですけど、お茶をつくるって相当知識がないとできないんですよね。飲ませていただいて、みなさんお茶づくりがきっと楽しいんだろうなと思いましたね。

奥富 いやほんと、楽しいですよ。一人で一晩中つくっていたりしますから。例えば、同じ「やぶきた」という品種でつくっていても、人によって全然味が違います。「あれってなんでだろう」と思います。苦戦しているときは「やぶきたが俺のことを裏切ってるんじゃないか」と思う時もあります(笑)

——それだけお茶に向き合ってつくっている方々がいて。これだけ多種多様なお茶を飲めるというのはいいことですね。

奥富 いろんな日本茶を飲んでいただいて、日本茶の評価基準が一直線上ではなくて、もっと広がっていったら面白いと思います。同時に自分の好きなお茶を探す楽しさを皆さんに知ってもらいたい。

べったな すごいっす。この飲み比べ、毎年やりたくなりますね!(笑)


ぜひ「TOKYO TEA PARTY 2023」に足を運んで、深く広がるお茶の世界をお楽しみください。

「TOKYO TEA PARTY 2023」
【会期】2023年11月24日(金)〜26日(日)
24日(金)16:00~20:00、25日(土)11:00~20:00、26日(日)11:00~17:00
【会場】渋谷ヒカリエ 8 COURT(11/24~26)・CUBE(11/25、26)
入場無料 ※ティーセミナー・トークショー・ワークショップ・談話会は有料、事前予約制
【主催】日本茶審査協議会/日本茶AWARD 2023実行委員会/NPO法人日本茶インストラクター協会 日本茶AWARD 2023 【後援】 農林水産省/(公社)日本茶業中央会/全国茶生産団体連合会/全国茶商工業協同組合連合会/日本茶輸出組合/(公社)静岡県茶業会議所/(公社)京都府茶業会議所/(公社)鹿児島県茶業会議所/(公財)世界緑茶協会/日本紅茶協会/(一社)国際交流サービス協会/(株)日本旅行/(株)吉村/EURO JAPAN CROSSING 【TOKYO TEA PARTY 2023協賛】日本茶輸出組合/(公社)静岡県茶業会議所/(公社)京都府茶業会議所/(公社)鹿児島県茶業会議所/(株)吉村/EURO JAPAN CROSSING 【協力】日本茶鑑定士協会

WEB nihoncha-award.jp
IG @nihonchaaward
X @nihonchaaward

Interview, Photo & Edit by Yoshiki Tatezaki
Text by Hinano Ashitani
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BALMUDA The Kitchen
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