東京ローカル花見ガイド | 国分寺編

歩いて整う、もうひとつのお花見


RiCE.pressRiCE.press  / Mar 25, 2026

3月も末になって、お花見の季節が近づいてきた今日この頃。
でも、桜の下でレジャーシート敷いてみんなで集まってワイワイのお花見なんてここ数年やってないな。

実際やるのは、かわいい花や、心を落ち着かせてくれるような木々を見つけては
「こういうのでいいの。」「これが必要だったんだな。」
って言い合いながら、食べて飲んで歩いて、太陽を浴びること。

歩いた分なんかちょっと疲れるし、人なのか自然なのかわからないけど、なんかちょっとパワーをもらって、「よく眠れそう、明日からがんばろうかな。」って思えるようなものの気がしてきて。 

たぶんお花見って、いつもより自然を探す心を持って、いつもよりゆるりとたくさん街を歩くことなのかも。

そんな新しい形の「お花見」にぴったりな、お花見のイメージはそこまでないかもしれない街での一日を紹介します。

◎国分寺

国分寺ってみなさん行きます?中央線の特快に乗ってしまえば新宿駅から20分もせずに着く立地の良さがありながらも、都心部とは違うどこかゆったりとした時間の流れ方を感じられる、そんな街なんです。

国分寺の花見ルート
12:00 [Life Size Cribe]

殿ヶ谷戸庭園 

14:00 [BACKEN]

お鷹の道・真姿の池湧水群 

19:00 [Roof]

12:00 [Life Size Cribe] この時点でばれそうだけど、休みの日に早起きなんかしたくない。

休みの日はギリギリまで寝てたいし、正直最近は朝ごはんも食べられない。
ただ一日は、美味しいコーヒーから始めたい。

「コーヒーといえば茶色か黒色でしょ。」
これは、コーヒーラバー以外誰しもが持っている固定概念かもしれない。なぜなら、コーヒーを透明な容器で飲むこともなければ横から見るなんてこともしないから。

[Life Size Cribe]では、ホットコーヒーは自分で注ぐスタイル。その行為を通して、どうしても液体に目が行き、「注ぐ」という行為を通してきちんと目の前のコーヒーに集中する状況が生まれる。

だからほんとは、コーヒーが少し赤褐色なことや、その色だって豆や焙煎によって変わることにも自然と気が付く。言われてみたら、それはそうかとなるものの、そのきっかけは、自分の中にはなかったものかも。

そして“Life Size”という言葉通り、「生活のサイズ感にあった等身大のコーヒーでいいんじゃないかと思うんです。」と話す店主・吉田さん。

良し悪しや、正解不正解ではなく「自分の生活感にフィットするものがいちばん」
そしてたぶんその“自分の生活感”も、少しの好奇心と、知るという行為を重ねることで、きっとまた少しずつ変わっていく。

そのときの自分に合った、等身大の楽しみ方で。

[殿ヶ谷戸庭園] 駅徒歩3分とは思えない、ウグイスが見つかる庭園

入場料150円を支払い中へ入ると、竹の小径や公園を見下ろす紅葉亭が出迎えてくれる。
茶室が当たり前の時代に生きてなんかいないのに、郷愁を感じる不思議な感覚。

鳥のさえずりを耳に、太陽を浴びていると、心がゆっくりほどけていく。

14:00 [BACKEN] スウェーデンのペイストリーとコーヒーと、心地よい時間

いくら遅起きでも、コーヒーを飲んだ後でも、ぎりぎり15時のおやつの時間までは我慢できない。

「人と会話を楽しみながら、コーヒーを飲み、リラックスした時間を過ごす」
スウェーデン人にとって欠かせない文化、FIKA 

そんなFIKAの文化を伝えようと、[BACKEN]は、豪徳寺の[FIKAFABRIKEN]や鷹の台[torpet]に続いて、国分寺に生まれた店。

おすすめのカルダモンロールはスウェーデンを代表するペイストリー。石臼でつぶしたフレッシュなカルダモンパウダーを使うため、爽やかなカルダモンとバターの香りが口いっぱいに広がる。
またキッシュも春のこの時期は、カブとレモン。ジューシーなカブとレモンの爽やかさを、タルトよりで甘さ控えめな生地、パートブリゼがやさしく支える。

スウェーデンティーやエルダーフラワーソーダ、スウェーデンから輸入しているコーヒー豆を使ったドリンク。そうした一杯からも、スウェーデンの空気を感じる。

朗らかなサービスと広々とした空間に、ゆったりとした空気が流れる。
食べ終わってすぐ、明日の朝ごはん用にペイストリーを買って帰る。あの人にも食べさせてあげたいな、なんて思いながら。

[お鷹の道・真姿の池湧水群] せせらぎを横目に歩く自然路

お鷹の道の水路沿いの小径には、「こくベジ」の野菜直売所が何軒か。
国分寺では、江戸時代中期の新田開発をきっかけに約300年農業がおこなわれているらしく、道沿いにならんだ採れたて野菜や果物はどれも美味しそう。

ただ狙いだったルッコラは、また後で買おうと思い引き返したらすでに売り切れてしまっていた。

「あー、買っとけばよかった。」
「欲しい、やりたいって思ったらさ、やっぱりその場ですぐ行動に移すべきなんだよ。」

そんなことを言われて、ああ、たしかにって。
なんだか今日は、自分を見つめなおす日になる気がしてくる。

19:00 [Roof] 軽めからがっつりまで。ジンの取り揃えは常時150

そう思いながら、最後はしっかりと腰を据えてお酒とごはんを楽しもうと向かったのは今年の夏で22周年を迎える[Roof]

アルコール・ノンアルコール問わずドリンクの選択肢が幅広い[Roof]だが、そのなかでもジンの取り揃えはピカイチ。

せっかくなので、日本酒で仕上げられたジン JINZUをベースにした桜のホットジンスリングと、コッツウォルズの5種のベリーを使ったヘッジロージンのイチゴのジントニックを。
桜の塩漬けとレモンが溶け出せば溶け出すほどに、JINZUの日本酒がひょっこりしてきて春だなあ、と思う。

ミッドナイトランチでがっつり定食っぽくいただく手もありながらも、今回はおつまみで留め「ラム肉団子と新ジャガイモのロースト」と「菜の花とイカのフリッター」を。
季節の野菜を使った料理はどれも軽やかで、気づけばもう一皿と手が伸びる。 

メニューにある料理は、あえてジャンル分けをするなら“多国籍料理”なのかもしれない。耳にしたことのないような、新しい食事に出会えるのも[Roof]ならではの楽しみ方の一つ。

ごはんも食べたければ食べられるし、お酒も飲める。デザートやコーヒーだけでもいい。
そんなふうに、どっしりと構えてくれている場所。

                                                               –

ただ歩く、のではなくいつもより周りを見て、自然を体いっぱいに感じようとしてする散歩は、まわりまわって自分自身を見つめるきっかけをくれるのかもしれない。

なんて言いつつ、ただただお花見を言い訳にして食い倒れたい自分もいるんですけどね。
まあでもとりあえず、いっぱい歩いたからいいんです。こういうのもきっとちゃんとしたお花見。

(SHOP INFO)
Life Size Cribe
東京都国分寺市本町3丁目5−5
12:00~19:00 (18:00 L.O)
日曜・不定休
IG @lifesizecribe

BACKEN
東京都国分寺市南町3-1-33
9:00~17:00 (平日)
9:00~18:00 (土日祝)
火曜定休
IG @backen_kokubunji

Roof
東京都国分寺市本町3-12-12
12:00~24:00(フード 23:00 L.O)
水曜定休
IG @cafe.bar.gallery_roof

Photo by Reina Kubota (写真 久保田伶奈)
Text by Terra Owen 

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