地方に行ったら、粋な巡り方を知りたい。

[中華可菜飯店]五十嵐可菜さんに聞いた、「城崎温泉」のはしご酒ガイド


RiCE.pressRiCE.press  / Jul 17, 2025

旅のはじまりは、ちょっとした戸惑いから始まることがある。

「さて、どこへ行こう?」

旅先でふと湧きあがるそんな疑問に、やっぱり頼りたいのは“その街を知る人”の声。今回登場してくれたのは、七つの外湯巡りで知られる兵庫県・城崎温泉を愛する料理人、五十嵐可菜さん。東京・永福町で中華料理店[中華可菜飯店]を営みながら、今年城崎との二拠点生活をスタート。

土地の空気を肌で感じながら、徒歩ではしごする一日。昼酒あり、温泉インありのローカルな巡り方を教えてもらった。

城崎温泉のはしご酒  by 五十嵐可菜
9:30 [PARADI]
11:30 [OFF] 
16:00 [おけしょう鮮魚]
18:30 [をり鶴]
21:00 [ふくとみ]

9:30[PARADI]フォカッチャとビールで始める、城崎の朝。

まずは、おいしいパンで空腹の胃袋を満たすところから、1日をスタート。[井上茶寮]やレジデンススペース[M1997]を手掛ける井上祖人さん、有紀さんのご夫妻が営むこちらのベーカリー。あったかいカフェオレとクロワッサンで静かに始めてもいいけれど、私は朝からハートランドとフォカッチャで“キメる”日もあります(笑)。お昼前に焼き上がるカルダモンロールは、時間を合わせてでも食べたい逸品。

11:30[OFF]ゆるっと昼飲み。軽やかな一皿にワインが進む。

ランチは、[PARADI]の目と鼻の先にある[OFF]へ。アラカルトが充実していて、色々食べられるので酒飲みには嬉しいスポット。先日は「タコとトマトのカルパッチョ ガスパチョのソース」という夏らしい一皿に、アルザスの軽めの赤をいただきました。つい「くぅ〜!」となって、結局もう一杯頼んでしまうのがお決まり。

16:00[おけしょう鮮魚]魚屋直営の特権。泥海老をアテに瓶ビール。

地元の魚屋の2階に併設された食堂。1階で好きな魚を選んで、2階で調理してもらえるという贅沢なシステムです。みんなが「海鮮丼」を楽しむなか、私は「泥海老の塩焼き」と「鰆の炙り」をつまみに瓶ビールを。夕方のこの時間に飲むビールって、最高ですよね。

18:30【をり鶴】温泉街の老舗寿司店で、日本酒とおまかせ握り。

日本海で採れた新鮮な海の幸が揃う、創業80年の寿司屋さん。カウンター席が断然おすすめです。ちびちびと日本酒を飲みながら、気ままにおまかせ握りをオーダー。ここで満たされたら、斜向かいの[御所の湯]にふらっと立ち寄って温泉タイム。途中に湯を挟めるのも、城崎ならではのはしご酒の楽しみです。

21:00【ふくとみ】地元に根ざしたおでん屋で〆。

締めくくりは、地元民から愛され続けるおでん屋さんでしっぽり。あたたかい照明の店内に、おでん鍋の湯気がもくもく。鶏ガラと昆布の出汁がしみしみで、温泉で火照った体に沁みわたります。

案内人:五十嵐可菜

北海道生まれ。2021年、東京・永福町に中華料理店[中華可菜飯店]をオープン。現在は兵庫県・城崎温泉との二拠点生活を送る。「健全でヘルシーな中華料理」をコンセプトに、旬の食材をふんだんに使った料理を提供している。月替わりのコースに加え、金・土・日のランチ営業や、水曜限定の“点心とワイン”をテーマにしたアラカルト営業も実施中。理想のはしご酒は「時間を決めずに、気の向くまま」。お気に入りのスポットは玄武洞公園。

IG @chukakana_hanten

Edit by Sakurako Nozaki(編集 野﨑櫻子)

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