雑誌『RiCE』連動企画

「COFFEE AND CIGARETTES」 永瀬正敏 インタビュー


RiCE.pressRiCE.press  / Nov 15, 2019

雑誌『RiCE』最新号のファッション企画には、現在公開中の映画『最初の晩餐』に出演している永瀬正敏氏が登場。ジム・ジャームッシュ監督作品である『コーヒー&シガレッツ』をオマージュしたファッションページということで、ジャームッシュとの思い出や、特集テーマ「コーヒー」について、また最新映画撮影時のエピソードについて語ったインタビューの模様を、誌面に掲載できなかった未公開カットとともにお届けする。

————今回の企画で撮影いただきましたフォトグラファーの鋤田正義さんとは、映画『ミステリー・トレイン』が初めての出会いなんですよね。

鋤田さんの作品はもちろん知っていたんですけど、ちゃんとお会いして撮っていただいたのはそれが初めてで。31年前、アメリカのメンフィスですね。

————30年以上経ちましたが、当時のことは覚えているものですか。

鮮明に覚えています。それだけいい現場だったんだと思うんです。当時はOKが出たら、もう一度お芝居をしました。映画の撮影用とは別に鋤田さんにスチールを撮っていただいたので。そういう現場も今ではなかなかないですよね。

————今回はジム・ジャームッシュ繋がりということで、映画『コーヒー&シガレッツ』をオマージュしたファッションページに登場いただきました。永瀬さんは普段、コーヒーは飲まれますか。

コーヒー好きですね。特別な豆を使っているとか、淹れ方にこだわっているわけではないんですけど、常にコーヒーと一緒にいます。本当にコーヒー&シガレッツな毎日で、多い時は1日に2杯、3杯くらい飲みます。

————行きつけの喫茶店とかもあるんですか。

そこまでじゃないです。自分の家で普通に淹れたものを基本的に飲んでいて。ただ地方ロケで撮休とかがあれば、近くの喫茶店みたいなところに行ってコーヒーを飲んで、タバコも吸うみたいな。ちなみに『コーヒー&シガレッツ』ですが、まだ世の中に出る前に、イギー・ポップやトム・ウェイツが出ているビデオカセットを誕生日プレゼントとしてジムからもらっていたんですよ。もちろん字幕は入っていないかなりレアなやつ。その後も彼は撮り続けて、公開されたり、DVD化もしたので、ちょっとがっかりなんですが(笑)。

————現在公開されている映画『最初の晩餐』は食がキーポイントの映画ですよね。撮影自体は2回に分けて撮っているとか。

昨年の2月くらいと、6月~7月くらいにも撮影しました。それもまた贅沢ですよね。

————一度離れてまた戻るというのは珍しいパターンだと思うのですが、どのような感覚でしたか。

時間が空いたことで、子どもたちの成長を見届けたような感じはありました。というのも冬には回想シーンを多く撮ったので、子供時代を演じた役者たちがメインなのに対し、夏は逆に成長した現在のシーンを撮っているので。そういう意味では、(母親役の)斉藤由貴さんはどっちにも出られていて、全員の子どもたちの成長を追って、作品に関わられた感じだと思います。

————10年、20年という単位の家族の話ですもんね。永瀬さんご自身、今回は料理をするシーンもありましたが。

普段はほとんど料理をやらないんですけどね。ウエイトを落としていく必要のある役のときとか、外だと食べちゃうから料理をしたりするくらいで。

————食事のシーンというのは、現場での関係をつくっていく上で役に立ったりするものでしょうか。

今回はストーリーの中心に食というのがありました。だからあるシーンはちょっと涙の、しょっぱい食事になったり、喜びならその逆だったり。いろいろな食を通して、キャラクターたちの気持ちが表れていて、監督もこだわっていた部分だと思います。

————現場では家族的な繋がりみたいなものができたりもするんですか。

日本では監督の名前に組をつけて「何々組」みたいな言い方をしますよね。今回だと「常盤組」みたいな。その期間は疑似家族みたいなものかもしれないです。同じ釜の飯を食うじゃないですけど、いろいろな部署の人も含めて家族をつくる。いい感じになってきたときに離散になるんですけど(笑)。またいつかやりましょう、いつかやれるといいねってなるけど、全員全部が一緒ということはほぼないですからね。だからクランクアップしたときはホッとするけど、同時にもう会えないのかという切なさも残る日です。

————過去に出演された映画は、いろいろな家族の思い出だったりもするんですか。

言ってしまえばそういうことになるかもしれない。例えば昔、助監督として一緒の家族だったり、制作部さんとして一緒の家族だった人が独り立ちして、その現場にもう1回呼んでもらうと、新しい家族として呼んでもらったような、特別な気持ちになります。

————話は逸れますが、永瀬さんは写真も撮られると思うのですが、現場で撮影することもありますか。

撮れる余裕のあるときは撮りますよ。役者さんには写真好きな人が多くて、みんなで撮り合いになったりもします。子役としてご一緒した森七菜さんという、戸田(恵梨香)さんの若い頃を演じた女優さんがいらっしゃるんですけど、彼女はフィルムで写真を撮っていて。最終日に、「一体いつ撮ったんだろう」というような写真を手書きの手紙付きでくれたりして。

————嬉しいですね。

ほんとですよね。撮影期間中に、僕の帰りの新幹線の時間が迫っていて、ごはんが出たのに、食べられないか、今は食欲ないみたいな時があったんです。かやくご飯みたいなやつだったから冗談半分で「これおにぎりにしてよ」って頼んだら、森さんが握ってくれたんですよね(笑)。新幹線の中で食べて、娘に握ってもらったおにぎりみたいで、一人帰る新幹線の中でそれを食べるのがとても良かった。ちょっとあたたかさを感じる、いい思い出ですね。

————食って最後までアナログというか、結局人がつくったものを味わうというか、感じるということなんですかね。

普通に出たお弁当のごはんを食べるより、なぜかおいしく感じちゃうんですよね。人のぬくもりというか、人の手で握ってもらってるだけなんですけどね。食ってどこか不思議なものだなぁと、改めて感じます。

 

CREDIT

Photography by Masayoshi Sukita
Styling by Yasuhiro Watanabe (W)
Hair & Make up by Katsuhiko Yuhmi (THYMON.inc)
Interview by Hiroshi Inada
Text by Shunpei Narita

CHROME HEARTS / クロムハーツトーキョー / 03-5766-1081
COMME des GARÇONS HOMME DEUX / コム デ ギャルソン / 03-3486-7611

撮影協力
さぼうる1 東京都千代田区神田神保町1-11
03-3291-8404

 

TAGS

WHAT TO READ NEXT

BALMUDA The Kitchen
会員限定の最新情報をいち早くお届け詳しく