
エディターズノート
「RiCE」第49号「お米」特集に寄せて
RiCEが創刊したのは今からちょうど10年前、2016年10月のことでした。というわけで、おかげざまをもちましてRiCEはこのタイミングで10周年を迎えることに。まずは読者の皆さま、いつもありがとうございます。
今回は記念すべき節目の号になるわけですが、創刊号以来となるお米の特集にしました。10年前にやった最初の特集が「ごはんの味」。だって雑誌名がRiCEですからね。まずはそこから始めるべきでしょう。ではそもそも創刊にあたり、なぜRiCEと名付けたのか。よく聞かれることなのでこの際お伝えしておくと、われわれ日本人にとってお米が、アイデンティティに他ならないからです。
お米を炊けばごはんになりますが、日本語で「ごはん」といえば食べ物全般を指すことになる。なので、日本発のフードカルチャーマガジンとして世界へ届け!という強い思いのもと、そのダブルミーニングを踏まえてRiCEという名の雑誌を始めることにしたのです。
もはやご存知ない方も多いと思いますが、初期のRiCEは誌面がすべてバイリンガルでした。創刊号を折につけ見返したりするのですが、日英併記なのも含めよく作れたもんだと誇らしい気持ちもありながら、どこか気恥ずかしいところもあったりして。当時の精一杯ではあったにせよ、今見ると素人感丸出しの拙さも否定できません。
そして当初は「お米の専門誌ですか?」とよく誤解されたものでしたが、それもあながち間違ってはいない。なぜなら日本の食文化には、古来よりお米が堂々ど真ん中の位置を占め続けているから。
というわけで原点回帰です。過去10年にわたっていろんな特集をしてきましたが、10年越しにお米そのものを見つめてみました。それはすなわち、今だったらどんなお米特集が作れるか? という自分たちへの挑戦でもあります。
改めてお米に向き合ってみて真っ先に感じたのは、圧倒されるほどの広範さでした。お茶碗によそわれた出来立ての銀舎利は言うにおよばず、おにぎりにはじまって寿司、チャーハン、カレーライス、カツ丼に牛丼と、国民食ともいえる一品のほとんどがごはんに紐づいている。そして米を原料として米麹で醸した国酒たる日本酒はもちろん、甘酒、どぶろく、米焼酎…。いずれも視点を上げれば上げるほどアジア全域、その他の国々にまでその範囲と種類は広がっていきます。
いやはや米のポテンシャルの高さ半端ないなと。そして世界中の先人がどれだけ知恵を絞って米の底力を突き詰めてきたことか。さてこれらをまとめてどう料理するかが腕の見せどころ。結果は出来上がった誌面をめくって判断いただければと思いますが、決して恥ずかしくないものにはなったはず。
そして改めて全国の農家の方々に感謝を捧げます。皆様がいるからわれわれは生きていける。そしてお米そのものに感謝。お米があってこそわれわれは生かされている。米そのものが命を繋ぎ、人生を彩り、フードカルチャーを支えている。
まさにお米あってのRiCEなのです。次の10年もよろしくお願いします。
RiCE編集長 稲田浩
イラスト 下田昌克 Illustration by Masakatsu Shimoda

- RiCE.press Editor in Chief
稲田 浩 / Hiroshi Inada
「RiCE」「RiCE.press」編集長。ライスプレス代表。
ロッキング・オンでの勤続10年を経て、2004年ファッションカルチャー誌「EYESCREAM」を創刊。2016年4月、12周年記念号をもって「EYESCREAM」編集長を退任、ライスプレス株式会社を設立。同年10月にフードカルチャー誌「RiCE」を創刊。2018年1月よりウェブメディア「RiCE.press」をロンチ。
Hiroshi Inada
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