ウーさんに教わる、台湾おにぎりのつくり方
片手で食べる、新しい花見フード
花見のお供に、ワンハンドで食べられるものが欲しい。歩きながらでも、シートの上でも、片手でパクッといけるやつ。おにぎりもいいけど、ちょっと定番すぎる…と思ったら、視点をずらして、台湾おにぎりの出番。ボリューミーで、話題も(きっと!)かっさらえる一品。マンネリは、そろそろ卒業ということで。今年の花見をアップデートしてみよう。
そこで頼ったのが、RiCE2025年1月号「台湾の食べ方」でもレシピを教えてくれたウーさん。料理好きの父の背中を見て育ち、レシピというより手順とタイミングを体で覚えてきた。コロナ禍で台湾に帰れない間に作り始めた家族の味が「また食べたい」と評判を呼び、いつのまにか本業に。そんな彼女が得意とするのは、家庭でも再現しやすいシンプルなレシピ。
今回は2つレシピをお届け。食材さえ揃えば、あとは巻くだけ。本格食材はネットで探すか、いっそ上野のアメ横にある中華食材店に繰り出してみるのも(それもまた、花見前のちょっとしたイベントってことで)。
RECIPE.1 ウーさん流、台湾おにぎり(飯糰)
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甘じょっぱい具材をぎゅぎゅぎゅっと包む、台湾の定番朝食。もち米のもっちり感に、香ばしさと揚げパンの食感が重なりやみつきになる味。ひと口ごとに味の層が広がる、満足感たっぷりの一品。
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材料(2〜3本分)
もち米・・・100g
黒米・・・100g (なくても可。その場合は、もち米を2倍の量にする)
ジャスミンライス・・・100g
水・・・270ml
ごま油・・・ひとまわし
塩・・・小さじ1
〈具材〉
高菜の漬物・・・適量
ザーサイ(ラー油であえたもの)・・・適量
干しエビ・・・適量
フライドエシャロット・・・適量
白ごま・・・適量
揚げパン(油條)・・・適量
豚肉のでんぶ(肉鬆)・・・適量
きなこ+ピーナッツ+砂糖(ピーナッツは刻み、合わせておく)・・・適量
卵・・・2個
青ねぎ・・・適量
作り方
1.もち米、黒米、ジャスミンライスを合わせてごま油と塩を加えて混ぜ、炊く(浸水はしなくてOK)。炊き上がったら全体を軽く混ぜ、15分ほど保温して蒸らす。
水の量は、米300gに対して270ml(1:0.9)が目安。炊飯器の場合は少し水を控えめに。炊き上がりに全体を混ぜて、15分ほど蒸らせば、よりもちもちな仕上がりに。
ジャスミンライスを少し混ぜるのがポイント。パラッとした粒感が加わり、軽やかな食べ心地に。日本の普通のお米でも代用OK。台湾ではもち米100%の飯糰も定番だが、実は少し重たく感じることも。白米をブレンドすることで、食感にメリハリが生まれ、最後まで美味しく食べられる。
2.フライパンを中火にかけ、高菜を軽く炒める。干しエビとフライドエシャロットを加え、香りが立つまで炒める。さらに白ごまを加え、水分を飛ばしてパラッとさせ、最後に砂糖を加えて弱火でさっと混ぜる。
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3.ボウルに卵を割り入れ、青ねぎと塩(ひとつまみ)を加えて混ぜる。フライパンにごま油を熱し、薄焼き卵をつくる。
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4.耐熱のポリ袋を裏返し、ふきんの上に広げる。炊いたごはんを長方形に広げ、中央に高菜、ザーサイ、きなことピーナッツをまぜたもの、フライドエシャロット、豚肉のでんぶ、卵、揚げパンを順にのせる。


「小さな具材から順にのせると包みやすいですよ」とウーさん。ご飯の水分が多くて扱いづらい場合は、ラップをせず電子レンジで30秒ほど加熱すると水分が飛び、扱いやすくなる。
5.両手でふきんごと持ち上げるようにして折り込むように包み、手でぐっと押さえながら円柱状に形を整える。ポリ袋の口を絞り、しっかりとまとめる。

こちらがこのレシピの見せ場!布巾の下を持ち、力を入れて「クイッ」と一気に包む。具を多少入れすぎても、力を入れて丸めればまとまる。はみ出たら、ごはんを上からかぶせて整えればOK。

断面を見せたい場合はラップでキャンディ状に包み、半分に切ると断面がきれいに見える。
体重をかけてグイグイ、袋の上から圧をかけてまとめていくウーさん。その手際のよさに見とれていると、「できました〜!」と満面の笑み。差し出してくれたのは、顔ほどもある大きなおにぎりだ。
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「具材は自由にアレンジして大丈夫ですよ」とウーさん。ポイントは、甘じょっぱいのバランスだという。豚肉のでんぶやきなこピーナッツの甘さと、高菜やザーサイの塩気。この組み合わせが、台湾で親しまれている、病みつきになる味の秘訣だ。
「とはいえ、もっとシンプルな組み合わせもおすすめなのがあります」そう言って教えてくれた、もうひとつのレシピも紹介したい。
RECIPE.2 煮卵とルーロー飯糰
甘辛く煮た豚肉に、たくあんの歯ごたえ、半熟の煮卵のまろやかさが重なり、パクチーとの相性も抜群。ルーローハンが難しければ、甘辛く煮た豚肉で代用してもOK。気負わずつくれるのも、このレシピのいいところ。
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材料(2〜3本分) ※ご飯の炊き方、巻き方は前述と同様
白米・・・100g
黒米・・・100g
ジャスミンライス・・・100g
水・・・適量(やや多め)
〈具材〉
ルーローハンの具(好みの味付けの豚肉)・・・適量
たくあん・・・適量
パクチー・・・適量(青ねぎでも可)
煮卵・・・2個
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煮卵のレシピ
卵は熱湯で6分半ゆでて半熟にする。殻をむき、醤油、水(1:1)、八角とともにポリ袋に入れ、一晩冷蔵庫で漬ける。

台湾では、市場や屋台で買った朝ごはんを片手に、一日が始まる。食べ応えのあるサイズだから、「オフィスで食べながら仕事をスタートするのも普通なんです(笑)。半分は昼に回すこともあります」とウーさん。そんな肩の力が抜けたゆるっとした台湾の風景を思い浮かべるのも、ちょっと楽しい。
満足感たっぷりだから、誰かとシェアして食べたい台湾おにぎり。春の空の下なら、そのおいしさもきっとひとしお。気づけば、花より主役はこっちになっているかも?
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呉(ウー)
台湾・台北出身。東京在住9年目。幼少期より父親から台湾家庭料理を学ぶ。『台湾屋台Woo』を主宰し、代々木上原を拠点にポップアップやケータリングを展開。台湾フードの新たな味わいと楽しみ方「ウーちゃん飯」を提案している。東京・茅場町[勺勺(シャオシャオ)]のメニュー監修も手がける。