今回はすこしだけ編集部員の個人的な投稿をさせてください。4月に発売となった特集『京都の中味』では、そのタイトルのごとく観光ガイド的な京都の表層的部分はいっさい排して、京都で日々を生きる人たちが真に愛しているお店（＝中味）を徹底的に取材しました。

ということで京都に住み込みリサーチをしていたのですが、そんな時にご縁をいただいたのが、今回の記事でご紹介する「おむすび祭」を主宰するチームでした。（「おむすび」と「RiCE」だなんて。こんなに親和性が高いことあるのか！）

平安京の守護神である京都・吉田神社で毎年食のイベントを開催しているだけあり、食へのこだわりが並々でなく、京都のフードシーンも熟知している。たくさんお店を教えてもらい、顔を利かせていただき取材させてもらう…なんてこともしばしばでした。

特集をきっかけにお会いして日が浅いにもかかわらず「一緒に絶対にいい特集にしよう！」と自分ごとのように応援してもらい、肩を組んでたくさんお酒を飲み交わしたのでした。

「京都人は気難しく、なかなか打ち解けるのが難しい、というか正直怖い…」そんなステレオタイプをあっさりと打ち砕き、あたたかく受け入れてくれた。京都特集に不可欠なキーパーソンだったのです…。大感謝！

以上前置きが長くなりましたが、そんなハートフルな人たちが運営メンバーである「おむすび祭」は、今年で4回目の開催となります。京都特集にも登場したお店ももちろん登場！ 

“ナチュラル・ファストフード”を掲げて、自家製シャルキュトリーや信頼できる生産者さんの野菜をフル活用した料理を繰り出す［ikat］や、ポルトガルワインをがぶがぶ飲みたくなる至極のつまみが揃う下鴨エリアの愛すべき酒場［パルメラ］まで。

ikat / Photo by Ariko Inaoka（RiCE No.40『京都の中味』より）

Palmera / Photo by Yuki Nasuno（RiCE No.40『京都の中味』より）

他にも最新号麹特集でカルト的な存在感を放っていた発酵酒場の横綱［酒席 水琴窟］も出店が決定。本誌ではご一緒できなかったものの、京都にいる時に評判をお聞きした粒ぞろいの名店が集結します。その数驚くべきかな20店舗以上！ラインアップを見るだけで、わくわくしてきます。

とても気持ちのこもったイベントだけに、おむすび祭代表のマリさんからのコメントを以下に抜粋します。

５年ほど前にCOVID-19が世界中で蔓延し、私達は、愛する人たちや、大切な人たちと一緒に食事をすることはおろか、直接交流することすら規制させてきた中で、祖父、祖母や友人たちの顔を見ながら食事をしたい、お酒を飲み交わしたい、愛する人たちの顔を見ながら話したい、触れ合いたいと強く願った数年でもあったように思います。

私も、4年前まで違う国に住んでいたので、家族に逢いたい、友達と笑い合いたい、一緒に食事がしたいと、本当に強く願っていました。

明日へのエネルギーとなるような人との出会いや、生活をカラフルに彩ってくれるおいしいおかずや飲み物、そんな日常見過ごしてしまいそうなささやかな幸せと、おむすびが結ぶ、いろんなご縁に気づく場所に、おむすび祭がなって欲しいと思い、4年前にはじめたのがおむすび祭です。

おむすび祭は年齢、性別、住む場所、国籍に関わらず、全ての人にひらかれていてほしい。

誰かの心があたたかくなり、また明日も楽しみになるようなそんな時間を過ごしてほしい。

人と人のつながりは、私たちの心を豊かにし明日への生きる力へと形を変えていきます。

おむすび祭で出逢った誰かの笑顔をみるたびに、私たちも笑顔になるように、おむすび祭が新しい出会いを生みだし、笑顔がたくさん溢れるような1日になればとてもしあわせです。

当日はRiCE編集部も魚特集に連動したイベントを開催中（こちらも追って告知予定！）のため会場に駆けつけるのが難しいのですが、関西在住ないし三連休は関西にいる！という方は必ず足を運んでみてください。京都の美味しい物好きが心から愛する味や、あたたかい人に必ず出会えるはずです。

Text by Shunpei Narita（文 成田峻平）

おむすび祭
日時　10/11（土）12:00〜18:00
場所　京都 吉田神社
出店予定店舗 
喫酒 幾星 / glou glou / つなぐ食堂 / 吉田山せせり / 酒とつまみ 蓮 / Hunter / マンボ飯店 / Tandoori&Curry aBu / 雲呑ショップ７０ / のら酒房 / シロトクロ / La guinguette / 菓舗Kawaguchi / BAR BAGLIORE / ikat / 焼とん けむり / Palmela / 炭のクチ / 和気あいあいパート2 / zuca商店 / 名珈琲 / 酒席 水琴窟 / ヤマムスメ / okute
IG @omusubi.sai