『RiCE No.25』表紙巻頭・拡大版

のん、cavemanで野菜に染まる。


RiCE.pressRiCE.press  / Oct 21, 2022

10月6日発売のRiCE最新号「たまにはヴィーガン」の表紙巻頭には、俳優・創作あーちすとの、のんさんが登場!
撮影でのんさんが訪れたのは、日本橋兜町にある注目の無国籍レストラン[caveman]。シェフ特製の野菜料理4品を体験してもらいながらお話を伺いました。RiCE.pressでは、惜しくも誌面には載せられなかった主演映画『天間荘の三姉妹』の撮影秘話や、忘れられない食事の思い出、RiCEとのんさんの意外な関わりまで、たっぷりとお届けします!

――主演映画『さかなのこ』を拝見しました。劇中では見事に魚をさばいていましたね。そういえば、以前RiCEに登場していただいた時(No.2特集「おいしい魚」)にも、魚をさばくチャレンジをしてもらいました。

そうなんですよ。映画の撮影前に、「魚をさばいたことはありますか?」と聞かれて、「雑誌の企画でさばきました!」と答えました。あの時は、教えてもらいながらでしたが、きちんと自分でさばくのは初めてのことだったので、とっても達成感がありました。今回の映画の撮影は、生きている魚をしめるところから、3枚におろして、一口大に切るまで、一連で撮ったんですね。だから全工程を自力でできるようにならなきゃいけなかったんです。とにかく猛練習で。何十匹もさばきました。アジはもう、完璧に3枚におろせます!

――今回は野菜特集ということで、[caveman]にて野菜中心の特別メニューを提供してもらいました。味わってみていかがでしたか。

創作料理という感じでおいしかったです! 自然酵母だったり、野菜のお料理って、シンプルな味付けというイメージがあったんですけど、今日食べたものはどれもそれを覆す新鮮な体験でした。意外な食感だったり、すごくおいしくいただきました。普段外で食べるときはイタリアンばっかり行くので、今回作っていただいたトマトベースのスープパスタは、特にパクパク食べちゃいましたね。

トマトベースのショートパスタ。
揚げたエノキのサクサクとした食感に、フライドオニオンの旨味と強さ、レモンバーバーベナオイルで後味は爽快

今日いただいた料理は、どれもいろいろな味が混ざっていて複雑な味わいでした。私はスッキリとした味わいの料理が好きなのですが、最終的にはスイスイ胃に入っていく感じで、不思議な食体験でしたね。実は、高校生くらいまでは、あまりごはんに頓着していなかったんです。5年前に『この世界の片隅に』という作品で、すずさんという役を演じてから、すずさんがおいしいって思ったり、おうちのみんながごはんで一喜一憂しているのがすごくじんわり伝わってきて、そこから「ごはんがおいしいって幸せだな」というのを感じるようになりました。

器に注がれるのは椎茸と玉ねぎのダシが効いたグリーンカレー。
焼いたナスとアボカド、玄米パフと共にいただく

ーーそうした役を通しての気付きのようなものがあって、のんさん自身の食に対する向き合い方とか、いろいろなことが変わっていった部分があったんですね。

そうですね。ちょうどRiCEの魚特集に出させていただいたときは、『この世界の片隅に』が公開される頃で、食に興味がわいてきたタイミングだったから良かったです。「ブイヤベースってつくれるんだ!」とか、「魚って自分でさばけるんだ!」とか食に対する喜びや楽しさが湧いていましたね。おいしかったな…あのときつくった料理。

――それ以降はコロナ禍もありましたが、自宅でもお料理を作ったりされるんですか?

竜田揚げを作りましたが、難しかったです。5回くらい作ったんですけど、毎回あんまりうまくいかなくて。火加減がわからず、生っぽい状態になっちゃったりしたので、一度切って、また揚げたりしました。どうしても食べたかったから、うまくいかなくても、もっかいチャレンジして、もっかいチャレンジして…みたいな。火加減がうまくできないんですよね。

ーーじゃあ今度は、竜田揚げが上手な人に教えてもらうみたいな企画をさせてもらうといいかもしれないですね(笑)。そういうことも含めて、コロナ禍で食に対する意識が変わったり、ライフスタイルが変わったり、いろいろあったんですね。今度公開される『天間荘の三姉妹』も食がすごい重要な映画ですよね。

そうですね。旅館が舞台なんですけど、撮影地である天間荘のモデルの宿は、すごくきれいなところで、本当にその旅館さんがつくった料理が撮影でも使われていたんですね。めっちゃおいしくて、カットがかかってもみんなでつまんでました(笑)。2週間くらい北海道での撮影だったんですが、撮影チームみんな、ホテルの階も一緒で。廊下に出て誰かと会ったときは「あっ、どうも〜」みたいな。新鮮でしたよ。すれ違ったときに、「どこ行ってたの?」って、ごはん屋さんを共有したりとか、どこどこでテイクアウトやってましたとか情報共有をして。おいしいごはん屋さんをみんなで探してました。やっぱり地方ロケのときはごはんが醍醐味だなと思います。 

――地方のおいしいごはん屋さんをめぐるのは楽しいですよね。映画では最後、本当に忘れられない家族の食事シーンがあったと思います。ちなみにのんさんにとって、忘れられない食事の思い出はありますか?

日比谷野音でやった「忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー」(2019年)で、矢野顕子さんと一緒に歌ったことがあるんです。矢野さんはピアノで、私はエレキギターを弾いて、2人で歌って。そのリハが、千歳烏山だったかな? たった1曲のために、すごい遠くのスタジオでリハをやったんです。だから矢野さんが、「はるばる来たんだから、私は食べたいものを食べるわよ」ってリハーサルを終えた後に、スタジオの近くに矢野さんが昔よく行っていた中華屋さんがあったらしくて、一緒に食事しました。すごいおいしくて。それが忘れられないです。その1回きりしか行ってないですが、また行きたいなと思ってます。中華って感じの濃い味じゃなくて、スッキリ優しい味で。エビフライとか、ラーメンも食べたんですけど、全部あっさり系で、身体がぽかぽかあったまって帰りました。

――矢野さんと一緒というのもスペシャルですね。

矢野さんって『ごはんができたよ』とか、『ラーメンたべたい』とか、ごはんの曲をたくさん歌っているくらい、めちゃめちゃごはん好きな方ですし。あの時食べたもの、全部おいしかったな。その食事から、矢野さんと距離が縮まった感じがするんですよね。おいしかったわねえ、みたいな。一緒によくついてきたわねみたいな感じで。それが思い出の食事ですね。

のん
俳優・創作あーちすと。1993年生まれ、兵庫県出身。2016年公開の劇場アニメ『この世界の片隅に』で主人公すずの声を演じ、高い評価を得る。2017年に自ら代表を務めるレーベル『KAIWA(RECORD)』を発足し、多くの楽曲を発表。2019年にはYouTube Original作品『おちつけなんせ』で監督に初挑戦。2022年、劇場監督長編デビュー作『Ribbon』が公開。最新主演作『天間荘の三姉妹』が10月28日より公開予定。

Photography by Hiroki Watanabe
Styling by Izumi Machino
Hair & make-up by Shie Kanno
Interview by Hiroshi Inada|Text by Ami Yamazaki

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