水野仁輔のスパイストリップ

「モテる男?のパッションフルーツ」 in 沖縄・名護市


Jinsuke MizunoJinsuke Mizuno  / Jul 24, 2018

純度100%の贅沢なシャーベット

イラストレーターの友人、オガワさんの紹介で沖縄のやんばる地方で農家をする奈良さんの畑を訪ねた。うだるような暑さの中、珍しい野菜やスパイス、ハーブなどを見学して回る。ひと息つこうか、と木陰に座り込んだ時にクーラーボックスから出てきたのが、凍ったパッションフルーツだった。スプーンですくってシャリシャリと食べる。純度100%のシャーベットである。

常温でうまいものを冷凍するなんて、農家ならではの贅沢なんだろう。どっさりといただいて東京に戻り、僕もカレー料理人ならではの贅沢をしてみたくなった。ココナッツミルクとカルダモンを合わせてミキサーでペーストにし、カレーの仕上げに入れたのだ。フードトラックの販売で1日限定で出したところ、SNSを見た人たちが殺到した。パッションフルーツ行列ができたのだ。

その繁盛ぶりを目の当たりにした知人が確信を持ったかのようにこう言った。

「水野君のいいところはさ、モテたいって気持ちを忘れないところなんだよね」
「どういうことですか?」
「だって、パッションフルーツにカルダモンを合わせるだなんて。結果、あの行列だもの」

確かにすごい反響だった。でも、モテているのは僕ではなく、パッションフルーツだったのだ。いまだにあの発言の真意をつかみきれないでいる。

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