12名のバーテンダーと蔵元たちが大阪に集結

「Honkaku Shochu & Awamori EXPERIENCE」から広がる焼酎カクテルの世界


RiCE.pressRiCE.press  / Dec 14, 2023

ロック、水割り、ソーダ割り……どんな飲み方も受け入れてくれる懐の広いお酒=焼酎は、近年ではカクテルのベースとしても使われるなど楽しみ方の幅も広がっている。11月には大阪で「焼酎カクテル」をフィーチャーしたイベントが開催、大盛況となった。

カクテルがみせる焼酎の可能性とはいかに?

Photo by Shingo Kobari

11月11日(土)大阪・中津にて、焼酎カクテルを楽しむイベント「Honkaku Shochu & Awamori EXPERIENCE」が開催された。

東京から沖縄まで各地の名だたるバーテンダー12名が集結し、本格焼酎や泡盛を使ったオリジナルカクテルを披露。さらに、蔵元から直接説明を聞きながら約100種類の銘柄を試飲することができる試飲ブースも設けられ、カクテル好きも焼酎好きも要注目のイベントが実現した。

開催地は食にまつわる支援プロジェクトを展開するイベントスペース[OSAKA FOOD LAB]。大阪・梅田駅から徒歩10分足らずという好立地で、老若男女問わず約350名が来場、満員御礼となった

「芋」「麦」「米」「泡盛」「黒糖」「その他」にジャンル分けされた試飲ブース。全国各地、約100銘柄もの試飲ができる
Photo by Shingo Kobari

会場には『RiCE No.32(2024年1月号)ジャパンスピリッツ新時代』に登場する[黒木本店]黒木信作さん(写真右)の姿も。焼酎・泡盛好き芸人とのトークステージが設けられ、会場は大阪らしい明るい笑い声が巻き起こっていた
Photo by Shingo Kobari

詳しい参加バーテンダー・蔵元はこちらから

カクテルから気になる味わいの焼酎を見つけ、実際にその焼酎を試飲できるという、焼酎を好きになるための一連の流れが会場で完結するという粋な計らい。

気になるカクテルの列に並ぶ人、蔵元に質問をする人、焼酎をテーブルに並べて飲み比べる人……焼酎を思い思いに楽しむ来場者で会場は終始熱気に包まれていた。

まずはこんな焼酎カクテルペアリングから

イベントでは、バーテンダーが渾身の焼酎カクテルを振る舞ったほか、大阪の人気和食店[食堂 燈]が出店、カクテルに合うフードを提供した。ここでは、ベストマッチな焼酎カクテル × フード のペアリングをご紹介!

(右)オリジナルカクテル「Four Layer Fashioned 」/(奥)[渡邊酒造場]の芋焼酎「朗らかに潤すlog.2022」/(左)「新ゴボウと五香粉のクロックムッシュ」

▶︎焼酎カクテル「Four Layer Fashioned 」

東京・世田谷代田[Quarter Room]のバーテンダー・小坂駿さんのオリジナルカクテル「Four Layer Fashioned 」2種の芋を1:1で混醸することで、バランスと奥行きある味わいを実現した渡邊酒造場](公式サイト)の芋焼酎「朗らかに潤すlog.2022」を使用している。メスカルや極甘口のシェリー、ビターズを加え、シナモンのスモークを纏わせオールドファッションドスタイルに仕上げることで、「朗らかに潤すlog.2022」自体のコクやキレが際立つ一杯に。

▶︎フード「新ゴボウと五香粉のクロックムッシュ」

五香粉で香り付けしたキンピラゴボウとチャーシューに、ホワイトソースを合わせたクロックムッシュ。旨味の強い食材が渾然一体となり「Four Layer Fashioned 」の重厚な味わいをしっかりと支えてくれる。シナモンと五香粉が合わさることによって、カクテルの香りの多層感もアップ!

焼酎でしか作れないカクテルがある

焼酎を主役に据えながらも古くから親しまれるスタイルを引用し、はっとするような焼酎の一面を見せてくれたカクテル「Four Layer Fashioned 」。

Photo by Shingo Kobari

本イベントは、カクテルのつくり手である小坂駿さんと、焼酎の造り手である手渡邊幸一朗さん(渡邊酒造場)さんが初めて対面する貴重な機会ということで、それぞれの立場から今回のセッションの所感を語り合ってもらった。

(左)[Quarter Room]バーテンダーの小坂駿さん/(右)[渡邊酒造場]4代目杜氏・代表の渡邊幸一朗さん

渡邊 自分のお酒をカクテルにしてもらって飲む機会はあまりなかったので、今日実際にカクテルをいただいて感動しました。シナモンのスパイシーな香りが、焼酎の特徴を上手く引き出してくれていて、すごく美味しかったです。

小坂 「朗らかに潤すlog.2022」は奥行きある香りが印象的だったので、その個性を潰さないよう副材料は入れすぎないようにしました。今回は特に“焼酎の”カクテルなので、あくまでも焼酎を主役にすることを意識しています。普通の焼酎は度数が25度くらいなんですけど、「朗らかに潤す」は37度もあったので、カクテルベースとしても使いやすいですね。 

渡邊 それを聞けてよかったです。カクテルには度数が高い方がいいと聞いて今回の焼酎を選んだところもあったので。

小坂 でも、度数が20度台の焼酎でも全然(カクテルは)作れますよ! アルコールにあまり強くない人も多いですので、最近は低アルコールカクテルの需要も高まってきています。海外向けには、他のスピリッツを足すことで度数を上げるといった調整をすることもできますし。

渡邊  なるほど。普段焼酎を飲まない方や若い方も、カクテルからなら入りやすいのかもしれないですね。

小坂 [Quarter Room]でも焼酎カクテルは扱っていて、お客さんからも好評です。焼酎は、芋や麦などの原料の豊かな香りのレイヤーによって、カクテルの表情を変えてくれる。作っている僕らも飲んでくれるお客さんも焼酎によって新しい気づきを得られているし、焼酎を置くバーもこれからどんどん増えていくと思います。カクテルを通して、焼酎って面白いと思ってくれればいいですね。

終始和やかな雰囲気で会話に花が咲くお二人。渡邊さんが「『朗らかに潤す』は餡子系の和菓子にもピッタリ。寒い日は、お湯割りにしてたい焼きと合わせてもいいですよ」とおすすめの飲み方も教えてくれた

他にもまだまだ…こんな焼酎カクテルがお目見え!

▶︎琉球香る珈琲泡盛

沖縄「Ryukyu mixology style bar Alchemist」(公式サイト)のバーテンダー・中村智明さんのオリジナルカクテル「琉球香る珈琲泡盛」は、[請福酒造](公式サイト)の「請福ヴィンテージ43度」を使用した一杯。

珈琲の浅煎りのロースト香や多良間産黒糖の塩気のある甘味に沖縄北部のハーブ4種類をプラス。ハーブの清涼感と浅煎りコーヒーのおかげで、度数の強い泡盛もスルスルと飲めてしまう。

Ryukyu mixology style bar Alchemist」バーテンダー・中村智明さん

「うちの店でも泡盛を主としてカクテルを提供しています。ジンやウォッカでまとめるとシャープな三角形のような味わいになるところを、泡盛にすると丸く広がってくれる。他のお酒にはない特徴が沖縄の個性としてそのまま表れます。地産の泡盛や焼酎をカクテルに使うことが土地の発展にもつながると思っているので、今後も使い続けていくつもりです」(中村智明さん)

▶︎WHITE LILY STORY

福岡[Bar Oscar]オーナーバーテンダー・長友修一さんの「WHITE LILY STORY」は、[池原酒造](公式サイト)の「SHIRAYURI INUI 44」を使用した一杯。ナッツとバニラフレーバーを、泡盛のミルキーな味わいが優しく包み込む。

福岡「Bar Oscar」「Bar Palme dor」オーナーバーテンダー・長友修一さん

「カクテル全般、日本のお酒を使ったものが極端に少ないんです。店では、数回お目見えになってるお客さんにはサプライズで泡盛ベースのカクテルを出します。飲めば良さがわかってもらえると思うので。いつかイベントがなくても泡盛カクテルがみんなに飲まれるようになって欲しいですね」(長友修一さん)

Photo by Shingo Kobari

マニアも初心者も関係なくカクテルを味わい飲み交わす会場の光景が、何よりも焼酎・泡盛のポテンシャルを物語っていた。

大阪の地で、同時多発的に生まれたこの “焼酎・泡盛体験” が、今後の焼酎シーンにどう波及していくのか。さらにアツくなっていくこと間違いなしの焼酎カクテルに、ますます目が離せない!

Honkaku Shochu & Awamori EXPERIENCE
開催日:2023年11月11日
会場:OSAKA FOOD LAB(大阪市北区中津1-1-36)
主催:日本酒造組合中央会
WEB jfn.co.jp/lp/experience2023

Text by Rin Inoue(文 井上凛)
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