遅めの編集後記『RiCE No.29 クールなビール』

ビールがおいしいって言いたい。


RiCE.pressRiCE.press  / Jul 26, 2023

夏だ。サマーだ。しかし暑い……。

「うだるような」という形容詞がありますが、あれ「頭が茹で上がるような」という意味だそう。思ったより怖い表現ですが、いや、さすがに、今年はうだりそう。

そこでビール、と言うのはちょっとベタかもしれません。しかし、RiCE 7月号はビール特集。実に5年ぶりのフィーチャーでした。
ありがたいことに熱い反響をいただけたことは、その間にビール界にまた新たな風が吹き、シーンが盛り上がっていたということの裏返しだったように感じます。社会活動の諸々が解禁になった今年の夏。久しぶりに会う友人たちとの乾杯に、せっかくなら美味しいビールをと選んだ人も多いのでは。

4年ぶりの開催となった「けやきひろば春のビール祭り」(5月17〜21日)はこの盛況ぶり。来場者も出店者も「この感じ懐かしいな〜」と感じていたはず。9月14〜18日にも「けやきひろば秋のビール祭り」が開催予定となっています(公式サイト

新風として注目すべきブルワリーはいくつもありますが、中でも[うちゅうブルーイング」はその謎多きブランドイメージから注目度は桁違いといえるのでは。今号では、稲田編集長自ら[うちゅうブルーイング]での取材を敢行。宇宙の謎から宇宙の未来まで、徹底レポートしました。
同じく山梨県北杜市にオープンした[万珍醸造]、そして東京の最西端・奥多摩にクラフトビールで人を引き寄せる[VERTERE]の2軒も同様に、平野太呂さんの撮影でクラフトビール最前線を映し出しました。

『クラフトビール フォア ザ ギークス:ブリュードッグ流 ビアギーク宣言!』の日本語版監修・翻訳を務めた長谷川小二郎さんによるビアスタイル解説も必読と言っていいでしょう。ビール専門店のみならず、レストラン、カフェなどさまざまなシーンに染み込んだクラフトビール。各所での出会いが広がる中、まとまった知識を取り込むのもいいですよね。代表的な国ごと・スタイルごとに読める形になっていますので、気になるビールに出会ったらページをめくってみてください。
それでもやっぱり飲んで覚えるのが一番という方へ(自分もそうです!)、6種のスタイルのビールを美味しく飲ませてくれるお店紹介も兼ねてご紹介しています。ビールとの出会いは、人との出会いだなと、改めて思わせてくれました。

ブルーパブ(醸造所併設の飲食店)が増え、醸造の世界が身近になると、ビールを飲むだけではなく造ることへの関心も高まってきます。今回は、[Brasserie Knot](北海道阿寒郡鶴居村)の植竹大海さんと[Hobo Brewing][Streetlight Brewing](北海道札幌市)の川村洋平さんのお二人に、“先輩ブルワー”としてインタビュー。夢を追う人たちの参考にもなれば。町田ヒロチカさん書き下ろしのイラストにもぜひご注目を。

発売後、[Brasserie Knot]の植竹さんを訪ねて鶴居村の醸造所を訪れました。常に鹿に注意するような道を走り抜けた先、小さくてかわいい旧小学校の体育館はタンクが立ち並ぶビール醸造所に! 「学校でビールを造る背徳感もいいんですよね」と冗談交じりに話す植竹さんから直接ビールをいただけたのは良い経験でした。(写真は筆者撮影)

全国各地で個性が花開いているわけですが、「こんなところにもクラフトビール!?」と言ってしまうようなお店も取材しました。銭湯[狛江湯]、レコードショップ[だるまや]、台湾サンダル店[SDN]、古着店[Laundry]、アートギャラリー[アートかビーフンか白厨]、そして話題の新球場エスコンフィールド内の[そらとしば by よなよなエール]。新しくできるホテルや空港でもクラフトビールは欠かせない存在になりつつあります。誌面ではRiCE的なセレクトでお届けいたしております。

ビール専門店で個性豊かな缶・ボトルビールを掘り下げる企画も行いました。三軒茶屋の人気店[Sanity]の小川ヤスさん(最近、学芸大学店もオープン!👏)と、ヨーロッパを中心にコアなクラフトビールを輸入する[DIG THE LINE]の小川哲哉さん。このお二人に、あえて初心者な質問をぶつけて、ビールでもって打ち返してもらいました。4ページにたっぷり23本。
在庫回転の速いクラフトビールですので、掲載商品は完売の可能性が高いのですが、特徴をお店の人に伝えて自分に合う味を探すヒントにしてもらえればと思います。

……他にも気鋭シェフをフィーチャーしたレシピページや、クラフトビールの先輩たちによる対談、ヱビスビールの新醸造所を担うブリューマスターとのインタビューなどなど、彩りよく活き活きした特集となりました。ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。

次号、節目の30号目に向けてフル回転中のRiCE編集部。仕事が片付いてから飲むビールは最高なんだろうな……。暑いとなおさらですし、ビール特集を終えてからはまたさらにビールがおいしく感じるようになった気がします。

5月20・21日には、代官山のデンマーク大使館にて「KEEP POURING NIPPON」が開催。人気ブルワーが集まり、みんな同じ目線でビールを飲み交わすお祭り

そして、10月14・15日にはMBCT(ミッケラー・ビア・セレブレーション・トウキョウ)が開催予定! 世界中からのブルワーが集まるビール祭りは見逃せないです(公式インスタ

ビールがおいしいって言いたい。

色んなことがある世の中、その言葉がやけに深く感じられるのは気のせいでしょうか?

RiCE JULY 2023|No.29「特集 クールなビール」
まだまだ発売中です! 特集内容はこちらのページから。
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Text by Yoshiki Tatezaki
Photo by Eri Masuda

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