
連載「あの人、そのレシピ」
十七人目、木村くんの芋煮
あの人が作る、記憶に残るあの料理。
親や友人、身近な人々の料理にお金を払ったりすることはないけれど、
お店では食べられない味と空気が確かにそこにある。
人とレシピ、そしてその背景を僕の目線で記録することにした。
(取材・写真・文=濱田晋)
芋煮の撮影でしたが主に関係ない話をしていました。
不意に昔の事を思い出し、まさに素晴らしい時間でした。
木村くんの芋煮
濱 いやはや、どうなのよ。てかまず先に芋煮の話聞いとこ。芋煮って何やっけ?
木 芋煮、年中作るわけでもないんだけどね。山形のソウルフードですね。
濱 お母ちゃんが山形やっけ?
木 親父が山形で。それもあって小さい頃は山形でも食べてたし、
親父ほとんど料理しないんだけど、カレーと芋煮は担当してて。
これ里芋が滑るから大変なんだよね。冷凍で剥いてるのも売ってるけど。
濱 そんなんあるんや。
木 料理しないから知らないでしょ?
濱 スーパーはついて行ってるから色々見てはいるけどね。
いや、芋煮はどうでもいいんだよ。それより大変やったね…
木 解散しちゃった。ふふ。
濱 書いていいんやろ?アカンかったら赤入れて。で、今はどんな感じなの?
木 まだそんな仕事がないからね。他の人のサポートしてる感じかな。
濱 シブいとこ行ったよね。木村くんは唯一の同い年の編集者やからな。
また何か一緒にできたらいいな。でも、編集者ではなくなったんやっけ?
木 会社の人たちの言い方ではディレクターとか。でも継続してやっていくのはあるよ。あ、10月後半空いてる?また連絡する。
濱 あリがとうございます!じゃあ休みの時は何してるの?
木 週末はJリーグ観ないといけないから。奥さんジェフ千葉好きで、俺はモンテディオ山形応援してるし。
濱 いいやん。 俺もスポーツ観戦は全般好きで観てるわ。最近はライブ行ったりしてないの?
木 友達のライブ行ったりはしてるよ。あ、最近だとビリー・アイリッシュ行った。めっちゃよかったよ。
濱 あれチケット余ってるって話題なってたな。
木 そうそう。安い席から売り切れてったんだけど一番近くで観れる席は余ってて。
濱 高給取りになったもんな。
木 いやいや。でもそこで昔お世話になった音楽ライターの人とかにも会えたしよかった。
濱 音楽ライター目指してた時あったんやもんね。そか。最近聴いてるのとかは?
木 もう解散しちゃってるけど、dOPPOとか。京都のバンドっていいんだよね。これから煮ます。
濱 全然撮ってなかったわ。味付けは?
木 味付けはもうこれだけ入れれば。山形の人ならみんな知ってる、味のマルジュウ。
濱 いいなこれ!こっちで売ってるん?
木 三茶に、山形県河北町に限定した店があって。親父の出身は河北町だから。ネギもそこの買った。
濱 そのピンポイントすぎる店すごいな。さすが編集者っぽい。
これお母ちゃんの若い時?
木 違うよ。池間由布子さん。俺も聴いたことあるけど、奥さんが好きで。聴いてみる?
Cooking by Kei Kimura(IG @keyyyi)
Photo, Interview & Text by Shin Hamada (IG @shinhamadastudio)
- Photographer
濱田 晋 / Shin Hamada
1987年 兵庫県出身
主にポートレイト、ドキュメンタリー、取材の分野で撮影を行う。2022年より思考実践『HAMADA ARCHITECTS™️』を始動。
shinhamada.com