
一日だけ、夏休み。
[燈屋]磯部優太郎さんと巡る、逗子・葉山の一日
夏休み。うーん、夏休みか。
社会人になってからの「夏休み」はお盆なのか?でも結局カレンダー通りに働くしな、というそこのあなた。そして、お盆休みはせっかくの長期休みだし帰省などなど、どこか遠出しちゃうというそこのあなたも。
必要なのは一日だけ。夏休みのあの感覚、感じませんか。
ある地域を知るには、そこに住むローカルに聞くのが間違いない、ということで始まったこの企画。今回は、燭台やオイルランプなどの“火の元”を扱う[燈屋]の磯部優太郎さんに、逗子・葉山エリアを案内してもらった。
逗子・葉山といえば真っ先に思い浮かぶのは海。その楽しみ方はさまざま。泳いでもいいし、眺めてもいいし、ぼーっとしてもいいし。
でも今回は、海でしたいことを考えたとき、まず「シャルキュトリーでもつまみながらボトルでワインを飲みたい」が出てくるくらいには、酒飲みが考えた一日プラン。
何はともあれ、まずはその仕入れをしなくてはならない。
SHOP1. EYEON general store
逗子でナチュラルワインを買えるお店は、かなり限られる。というか、そもそも酒屋の数もそこまで多くはないのだ。
そんな中、ナチュラルワイン好きには刺さるであろう店[EYEON general store]は、JR逗子駅から歩いて5分ほどのところにある。

美味しそうなワインが並ぶ店内。見ているだけで、わくわくしちゃう。
店主の千葉明子さんは、アパレル業界で20年近く勤めたのち、ワイン好きと「いつか自分のお店を」という思いが重なり、地元の逗子で2022年にボトルショップを開いた。
“general store”の名前の通り、店内にはワイン以外も揃うので、雑貨を目当てにお店に足を運ぶ人も多いという。

フランスワインと赤ワインの取り扱いが比較的多いのだが、理由はもちろん「好きだから」。
ワインって、説明文とエチケットで選んじゃいがちだけど、「いつ、誰と、どこで飲むか」でお店の人と相談しながら決めるのも、実は結構楽しい。普段なら選ばない一本に出会えたりするし。

優太郎さんからのお題は、「昼から飲める爽やかなやつ」。
並ぶのは千葉さんがセレクトしたものたちだもの、安心して身を委ねられる。
ワインも雑貨も、自分の「好き」を相談しながら決める。そういう楽しみ方もありじゃない?
海で飲む今日の一本も無事決まったところで、次の店へ。
SHOP2. Beach Muffin
買い出しの二分の一は終了したものの、お腹は空いている。少し小腹を満たしておきたいのと、ちょっと早急に海は見たい。
そんな想いを胸に足早に逗子海岸に向かう途中に、プラントベースのカフェ[Beach Muffin]はある。
もともとは葉山のビーチ沿いでマフィン屋を開いていたのが、店名「ビーチのマフィン」の由来。2011年に今の場所に移転してからも、その名前を受け継いでいる。

どう転んでも長居してしまう、気持ちのいい店内。

ビールは、ビンや缶のほか、タップでも5種類ほど楽しめる。逗子のクラフトビール[Yorocco Beer]がタップにつながっているのも嬉しい。
「みんなが取り入れられるよう、味を重視」しているというフードは、プラントベース特有の代替品感がなく、ストレートに美味しい。

マフィンももちろんだが、ハンバーガーやポテトフライも美味しい。ポテトのガリッガリ加減がたまらん。
コーヒーもビールも、フードも甘いものも。誰と来ても、きっとちょうどいい。そんな空間。
SHOP3. Pool’n’Tap
逗子海岸を満喫したのち、向かうは葉山エリア。バスも定期的に走ってはいるけど、気持ちがいいので歩いて森戸海岸まで向かうことに。
ただまあ、休みなのでもう一杯ほどビールは飲みたい。それにせっかくだしなんか見たい。そんなわがままオーダーを叶えてくれるタップルーム併設のセレクトショップが、ちょうど森戸海岸へ向かう途中にあるのだ。

特徴的な赤レンガが目印。
2025年9月にオープンした[Pool’n’Tap]。ビールは常時6種類ほどがタップにつながるほか、数十種の缶も置かれている。ハムやオリーブなど、ちょうどいいおつまみも揃っているので、あれよあれよともう一杯。

外壁と似たスタイルのレンガを、中のテーブルにも使っているので中と外が繋がっているような感覚に。
もともとアパレル業界で働いていたというディレクターの込山まり子さん。店内に並ぶオリジナルラインのアパレルやセレクトされたホームグッズを、ビールやコーヒーを飲みながらゆっくり見るというのも、ならではの楽しみ方。

店内のCDやレコードは、込山夫妻の私物。それぞれの趣味と趣味が合わさり生まれる温度が心地いい。
一緒に来た相手はビールやコーヒーを片手に、こちらはこちらで気にせずゆっくり店内を見る。そんな過ごし方ができる店って、意外と少ない。
晴れていたら富士山まで見えるという大きな窓を背に、次の場所へ。
SHOP4. TANTO TEMPO
いざシャルキュトリーを携えて森戸海岸へ行かん。ということで、最後に寄ったのは[TANTO TEMPO]。
2004年創業で、今は二代目の店主・上野達郎さんがお店を切り盛りする。生ハムやチーズをはじめ、パスタやオリーブオイルなどイタリア食材がずらりと並ぶ、アリメンターリだ。

生ハムやサラミも、グラム単位でオーダーできる。
チーズの量り売りを目にすることはあるが、生ハム・サラミをグラム単位で買えるのは珍しい。少量から試せるし、何人かでちょっとずつ色々食べたい、にもうってつけでありがたい。

ここまで選択肢あったら、誰だってこんな顔しちゃうよ。
今食べるものと、家に持って帰るもの。予算と胃袋に相談しながらあれこれ考えていると、無性に駄菓子屋を思い出す。

ホールで仕入れるというチーズは、注文が入ったら切り分ける。
悩みに悩んだ結果、今回はパルミジャーノとブリー、生ハムに。
それらを手にして森戸海岸に着く頃には、日もすっかり落ち始めた。

森戸海岸と逗子海岸という二つの海岸を、それぞれの得意な時間で楽しむ。なんという贅沢。
空が黒に呑まれていくスピードと競うように、優太郎さんが持ってきた皿に[TANTO TEMPO]で買った生ハムとチーズを並べ、[EYEON]で買ったワインを開ける。

今回選ばれたワインは「PASTA BUZZ」。ハーブっぽい清涼感がありつつまろやかな味わいは、温度が上がっても美味しい。そう、クーラーがない屋外飲みにぴったり。
ビーサンなんて脱ぎ散らかして、砂にまみれたっていいじゃない。海辺は素足の方が上手に歩ける。
そして空がゴールした頃、近くで誰も知らない花火が上がった。
海の中で花火を見るなんて、誰が予想しただろうか。

着替えのことなんて何も考えずにとりあえず海に飛び込んでしまったのは、夏の海にあてられたせいかもしれない。
すべてのピースがうまくはまりすぎて、笑ってしまうような一日。夏休みはこれでもう十分だ。
店舗情報
EYEON general store
神奈川県逗子市逗子4-1-34 1F
月・不定休(※スケジュールはInstagramをチェック)
平日13:00〜19:00
土11:00〜19:00
日・祝11:00〜18:00
IG:@__eyeon__Beach Muffin
神奈川県逗子市逗子8-3-22
月〜水定休
11:00〜18:00
IG:@beach_muffinPool’n’Tap
神奈川県三浦郡葉山町堀内27-4
火水定休
平日13:00〜18:00
土日祝11:00〜19:00
IG: @poolntapTANTO TEMPO
神奈川県三浦郡葉山町堀内744-7
火水定休
9:00〜18:00
IG: @tantotempo_hayamaGuest:Yutaro Isobe @fuckinontheplanet
Photo by Reina Kubota(写真 久保田伶奈)@_kumachabin_
Text by Terra Owen
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