連載「発酵粋人」 #1
もしかしたら「発酵」が世の真理…?
初めまして。赤木南と申します。ファッションを軸にPRの仕事をしながら、「食堂南」という屋号で発酵にまつわる食を探求しているのですが、このたび本連載で、日本各地の発酵人を訪ねる「発酵粋人」を寄稿させていただくことになりました。
「もしかしたら『発酵』が世の真理…?」と問い始めてから数年、あらゆる物事を発酵的に捉えるようになりました。
例えば、途方もない手仕事と物語がひしめき合うドレスを目の当たりにした時には「全てが発酵して輝いている…」と感じ入ってしまう。そんな具合に、卓上にご飯やお酒を並べて皆が飲み食いしている姿を見て「人も菌も温いのが心地良いんだなぁ」と納得し、沸点の低い人を見掛けた時には「腸内が悪玉菌に傾いている…鎮まらぬか…」と、心の中でタタリ神とアシタカのシーンが投影され、二徹の友人に出くわした朝には開口一番「とりあえず味噌汁飲んだら…?」というような調子で、発酵という名のフィルターを通して日々を過ごしているといったら分かり易いでしょうか。
よく聞く発酵のイメージは、余裕のある人の丁寧な食生活、微生物にまつわる学問、スピリチュアルな世界線、などなど。概ね間違っていない気もしますが、ほんの一部分且つ、分かりやすい例に過ぎないと思っています。なぜなら、今まで出会ってきた「発酵粋人」と勝手ながら慕っている発酵の名人やプロたちは、その知識と経験の豊かさ・奥深さはもちろんですが、それ以上に、感性や在り方、生き方にいつも感銘を受けてきたからです。そして、その心打たれる具合というのは、服に対して抱くどうにも抗えない感情(胸キュン)と等しくもありました。
この連載は、探訪記的な体験の記録になります。自分の文章を紡ぐこと自体が久々で、緊張と嬉しさが入り混じっていますが、寛大な気持ちで読み進めていただけたら救われます。今日はご挨拶がてら、今後ご紹介していく発酵粋人の一部の画像をティザーとしてご覧ください!
老舗の木桶醤油蔵が目指した醤油ソフトは、洗練のカラメル風味。
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自然界のマジョリティ、野生菌の世界へようこそ。
稲藁に住みつく天然菌お供スタイルの納豆にぞっこんです。
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はみ出し者が愛おしいのは人も麹も同じかもしれません。
次回より、実際に私の探訪の様子をお届けできたら思います。それではお楽しみに!
1992年、千葉県生まれ。ファッションPR会社で勤務する傍ら不定期でフードイベント主催。隙あらば全国の蔵元へ訪問。無限に広がる麹の世界の魅力を伝える。
IG minamiakagi
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