名盤カレー

06.ザ・バンドでカレーを作る


Jinsuke MizunoJinsuke Mizuno  / Oct 6, 2020

The Band/アルバム『The Band』(1969)をBGMに逆回転ポテトカレーを作ってみた。

総調理時間:44分14秒

アコースティックが当たり前のフォーク界でボブ・ディランが打ち出したフォークロックという新しい流れに電気楽器で応戦したザ・バンド(という印象)。

僕がアナログレコードでよく聴いたのはファーストの方だった。選んだアルバムがファーストの『Music from Big Pink』だったらピンク色のバターチキンにでもしただろう。『The Brown Album』とも言われているこのセカンドアルバムだから、茶色いオーソドックスなカレーに仕上げる手もあった。が、あまり色に振り回されず、The Bandらしく地に足のついた味わい深いカレーに仕上げようと思った。

「炒めて煮る」という通常のプロセスを捨て、「煮て炒める」という逆回転で、ストイックにシンプルにひたすらじゃがいもと玉ねぎを加熱する。愚直で単調なプロセスだが、鍋の中は少しずつ顔つきが変わり、最終的に完成度の高いカレーができる。新しい世界を切り開きつつもアメリカンルーツミュージックの温故知新も感じさせる、このアルバムの高いクオリティに少しは近づけただろうか。

※ 曲が変わるたびにプロセスを変えます。
※ レコードをお持ちの方は、A面からB面へのスイッチをスピーディに。
※ CDをお持ちでない方は、YouTubeなどをご利用ください。

【材料・3~4人分】

じゃがいも(大き目のひと口大に切る) 600g
水 500ml
玉ねぎ(くし形切り) 大1個(300g)
ホールスパイス
・グリーンカルダモン 4粒
・シナモン 1/2本
塩 小さじ1弱
砂糖 小さじ1
植物油 大さじ3
にんにく(すりおろし) 1片
塩麹 大さじ3弱
パウダースパイス
・コリアンダー 小さじ2
・クミン 小さじ1
・レッドチリ 小さじ1/2
しょうが(みじん切り) 2片

【作り方・A面】

1. Across the Great Divide(2:53)
じゃがいもの皮をむき、大き目のひと口大に切る。

2. Rag Mama Rag(3:04)
鍋にじゃがいもと水を入れて強火にかけ、ふたをする。

3. The Night They Drove Old Dixie Down(3:33)
ふたをしたまま強火で煮る。玉ねぎを切る。

4. When You Awake(3:13)
ふたを開けて玉ねぎを加えてふたをし、強火で煮る。

5. Up on Cripple Creek(4:34)
ふたを開けてホールスパイスを加えてふたをし、強火で煮る。

6. Whispering Pines(3:58)
ふたを開けて塩と砂糖を加えて弱火にして煮る。

【作り方・B面】

1. Jemima Surrender(3:31)
油を注いで強火で煮詰める。

2. Rockin’ Chair(3:43)
にんにくを加えて中火で煮る。

3. Look Out Cleveland(3:09)
塩麹を加えて中火で煮る。

4. Jawbone(4:20)
パウダースパイスを加えて弱火で煮る。

5. The Unfaithful Servant(4:17)
じゃがいもをつぶしながら弱火で炒め合わせる。

6. King Harvest(3:39)
しょうがを加え、弱火で炒め合わせる。

【チャレンジ感想】

A面1曲目“Across the Great Divide”でじゃがいもの皮をむくのだが、意外にも時間が足りず、焦ってしまった。少し遅れ気味に水を張った鍋を火にかける。前半はひたすら強いでグツグツしまくるのだが、A面の最終曲“Whispering Pines”はバラード。ここだけは弱火にして心を落ち着かせる。コーヒータイム。鍋中を眺めながらボーっとする。

B面1曲目“Jemima Surrender”で油が入るから、温度が上がる。後半は、水分量を見極めながらかき混ぜていく感じ。B面4曲目“Jawbone”でスパイスが静かに入る。スパイスの色が溶けだし、じゃがいものでんぷん質が強いとろみに変わっていくのが心地よい。B面最終曲“King Harvest”ですっきりとしたしょうがを加えた後は、ひたすらゆっくり混ぜて仕上げに持っていく。丁寧にやれば、驚くほどなめらかなソースに出会えるだろう。

おいしいカレーができました。

 

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