一期一食

019. Deep dive KYOTO—assiette dessert—


Orito HamadaOrito Hamada  / Aug 23, 2020

京都は昔から縁がある土地だなぁと漠然と思って生きていた。自然と行く用事が定期的にできたり、縁深い場所がポツポツできたり、大切な友人がいたり。そういう縁を感じながら今回も行ってきました。それもよりによって若い時によく通っていた地域に泊まることになるなんてね。

移動距離が多いことが創造性につながると言う記事を読んだことがあるけど、移動したことによって新たな出会いがあるからだろうな、きっと。人は出会いと新たな身体的な感覚を拡げることで、自分が変革していくんだと思うな、感覚的にだけど。まだまだリアルとバーチャルの壁は埋まらないと思っています。

京都にも行きたいお店が山のようにあるんですが、今日は友人に紹介していただいたお店が素晴らしかったので、そこの料理を紹介します。[アシェットデセール未完]というお店です。アシェットは「皿」、デセールは「デザート」のことで、つまり「皿盛りのデザート」のことで、その場で作られたデザートをコースでいただくお店です。テイクアウトではなく、その場で作ることができることを存分にされためちゃくちゃ満足した一夜でした。その中から特に印象深かったお皿を。

ピオーネとできたて葛切りにみょうがのグラニテ。コースってここまで季節感がストレートに出るのか。ちょっと驚いた。導入にさらっと口に運んで一気にこのコースの世界に入り込むことが出来ました。ミョウガが最高。

1年熟成の百合根と和三盆のきんとん。南高梅のソースに紫蘇の花。夏なのにこういうレシピで勝負できることがすごい。温度調整、粘度全てが絶妙で、梅の香りと百合根のバランスがたまらない。和のような洋のような。音楽だってそうやって垣根が溶けていくけれど料理もそうですよね。

桃の一皿。山梨の加納岩白桃にすももソース。桃パルフェに山椒のメレンゲにクレームダンジュ。桃は表面だけコンポートされているのがいい。ジュレも優しい。大葉の砂糖漬けがいいアクセントになっていて、ココナッツオイルのパウダーが全体を引き上げてくれる。

徳島産とうもろこしゴールドラッシュで作られたクレームブリュレ。僕のクレームブリュレの自己ベスト更新。とうもろこしの甘さってもう言葉にならないよね。多幸感が半端ない。

チョコとナッツとイチジクにチョコレートのパルフェ、セミドライいちじくが入ったガトーショコラ、ピスタチオのシフォン、バルサミコの温かいソース。

料理って自由だな。

こんな取り合わせで作れちゃうんだって思った。一つ一つの手間がすごいし、こんなバランス感で色々合わせられるってやっぱり尊敬してしまう。そして、食べ手にある程度委ねられるところも、楽しさの一つですよね。そういう設計のもの僕はすごく惹かれるんですよね。

コース自体はこの倍くらいのお皿があるんですが、良いところだけをかいつまんで。

何でも鋳型にはめるような価値観や教育で育った世代と言われながら、僕はそこからはみ出ちゃったわけですが(笑)、今となってはいろんな出来事を冷静に受け止められるようになっているのかもしれません。凸凹人生で遠回りも悪くない。デザートだからコースはないとか、そうやって決めつけることも良くない。未来を作ることは新しいことを作ることなのだから、未知のものを楽しむくらいの心持ちでいつもいたいと思いました。みんなで楽しんで、僕だけそのままタクシーに飛び乗って新幹線で帰宅。お店の方には少しご無理を聞いていただいてお料理のピッチを早くしていただきました。ありがとうございました。

そうやって、亭主と正客のいい関係をこれからも積み重ねたいなと思いました。

アシェットデセール未完

京都府京都市中京区 御幸町通夷川上る松本町583-1 フォルム御幸町 1F
【昼】コースのみ二部制 (13:00~、15:00~ )
【夜】コース、アラカルトを用意(19:00~22:00)
*コースは要予約

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