【潤いのレシピ】 第七回・森枝幹(朝食編)

一日のスタートは、整う「茶粥」から


PromotionPromotion  / Jun 24, 2020

有名シェフの素材への向き合い方を聞きながら、日々の食から暮らしに潤いを与えるようなレシピを朝・昼・晩と三食ご提案いただく連載企画【潤いのレシピ】。今回は下北沢[サーモン&トラウト]のシェフを立ち上げから4年間務め、2018年からはレストランプロデュースやメニュー開発、生産者情報の発信など、多様なフィールドで活躍する森枝幹シェフです。ステイホーム期間には「家での食事を通じ、自分自身の食習慣も大きく見直した」と話します。朝こそひと手間かけた食事で、心と体を整え、感覚を研ぎ澄ませたいという森枝シェフが教えてくれたのは、炒りたてのほうじ茶を使ったシンプルな「茶粥」のレシピ。材料と作り方は下部にまとめています。

「長い時間を自宅で過ごすようになって、それまで以上にいろんなお茶を楽しむようになりました。ある時、ほうじ茶が飲みたいと思ったのですがたまたま切らしてしまっていて、煎茶をフライパンで炒ってみたら、香りが抜群によく病みつきになってしまった。茶葉の量ではなく、“炒りたて”という瞬間がつくる香りの高さが、なんと贅沢なことかと気付いてしまったんですよね」

お茶はもっぱら表参道『櫻井焙茶研究所』で買うという森枝シェフですが「今回のお茶は“炒りたて”であることに意味があるので、特に産地や銘柄にこだわらなくても」と、話す。ただし、昆布は『吹田商店』、鰹節は『秋山商店』の鰹上削りと、プロ御用達の店のものを。

「出汁は、素材ひとつで味が劇的に変わります。せっかく手間をかけるならば、できる範囲内で素材にもこだわったほうがいい。ごく少量加える塩と薄口しょう油も、出汁の旨みを引き立てる脇役に過ぎませんから」

父はフードジャーナリストで写真家の森枝卓士氏。子供の頃から世界中の食文化に触れて育った森枝シェフ。食に関心を持ち、料理の道に進んだことはごく自然な成り行きだったと話します。187cmもの長身を活かし、高校時代はバレーボール選手として全国大会にも出場しました。調理師学校に進学し、卒業後は単身オーストラリアに渡り、海外で活躍する日本人シェフの草分けともいえる和久田哲也シェフのシドニー[Tetsuya’s]から修業をスタート。この時ビーチバレーの練習にも取り組んでいた森枝さんですが、世界の壁を感じ、本格的に料理の道に進むことを決意したといいます。

帰国後は表参道の和食店[湖月]で、改めて和食を基礎からみっちりと学びます。その後、科学の視点からアプローチする分子ガストロノミーの料理と、8席のカウンターのみという和食に通じるプレゼンテーション、空間のプレミアム感で海外からのゲストにも支持されたマンダリン・オリエンタル東京の[タパス モラキュラーバー]でも修業。2014年、フードライターでソムリエの柿崎至恩氏とともにレストラン[サーモン&トラウト]を開きます。

「開業時から“メディアとしてのレストラン”という明確な立ち位置を定めていました。フレンチ、和食などのジャンルではなく、僕自身が世界各国、日本各地を旅して出会った食材や食文化を編集、再構築して伝えられる店にしたいと。“ドリンクペアリング”についてもいち早く着目、提案してきたと自負しています。パートナーの柿崎氏は、ワインはもちろん、お茶など飲料全般についての知識も深く、正攻法から変化球まで手数が多かった。料理と飲料で卓上に“情景”をつくることを目指してやっていました」

場所は下北沢、駅から離れた通り沿いで、窓ガラスに吊るされているのは自転車。ロケーションからスタイルまで意外性に満ちた店は、ガストロノミー事情に通じた食通はもちろん、新しいもの、カウンターカルチャーを支持する若い層にも支持され、レストランの食べ手の層を広げてきました。しかしながら森枝シェフは、順風満帆な店を離れ、次のステップに進みます。

「4年の間に、“メディアとしてのレストラン”として、当初思い描いていたことは実現できたかな、と。多彩な食文化や、それを支える一次産業、自然、歴史や風土のことも伝えていきたいと思ったときに、いろいろなチャンネルを持って活動できれば、可能性はより広がるなって」

多様なアプローチで食に携わる今のスタイルにたどり着いた森枝シェフ。刺激を受けるのは、レストランの料理だけではなく、人々の暮らしに根付き受け継がれる味の中にもあります。茶粥もそのひとつ。

「奈良や和歌山などを中心に、西日本では親しまれている料理。お茶で生米を炊くもの、冷えたごはんをお茶で炊くものと、つくり方にも地域差があり、面白いんですよね」

今回教えてくれたのは、生米をお茶で炊くレシピ。茶飯を茶碗によそって出汁を張り、木の芽の香りを添えるだけ。作り方自体に難しい点はありません。

煎茶を色味が茶色になるまで乾煎りし、ほうじ茶に

お水でお米を炊く代わりに、急須でいれた“炒りたて”のお茶を直接そそぎこみます

「煎茶をフライパンで炒る。昆布と鰹節から出汁をひく。以上。味を重ねない“引き算の料理”は、素材の質が味に直結します。水もしかり。言うまでもなく、出汁の素材はほぼ水なわけですから」

鍋にクリンスイの浄水と昆布をいれて、弱火にかけます。沸騰したら昆布をあげて、火をとめる。鰹節は5分ほど冷ましてからいれます。

お茶を淹れる水も、出汁を引くときにもクリンスイのWASHOKUシリーズ お茶をおいしくするためのポット浄水器を使います。「クリンスイの浄水は、香りや旨みを十分に引き出し、しっかりと閉じ込められるので雑味はゼロ。素材の味、かけた手間がそのまま映し出されたまっとうな味になり、米だけの料理を深みのある、贅沢な味に仕上げてくれます」

ご飯が炊けたら茶碗によそり木の芽を添え、少量の塩と醤油を加えた出汁をかければ完成です

ひと手間かけた炒りたてのほうじ茶と出汁、雑味の無い美味しい水で作る茶粥は、食する前から香ばしい香りに感覚が開き、するりと胃に収まる優しい食べ心地と食後感ながら、旨みの余韻は長く続く。日に日に暑さも厳しくなるこれからの季節に、朝を整えてくれる一品です。

材料(4人分)

米 2合
煎茶 大さじ2
木の芽 10枚
鰹節 10g
昆布 10g
水 1L

作り方

1. 煎茶をフライパンで香ばしい香りが立つまで炒ってほうじ茶にする。湯を沸かし、粗熱をとったのちに急須に茶葉をいれ、お茶をいれる。

2. 1.で米を炊く。

3. 出汁をひく。鍋に水と昆布を入れて弱火にかけ、沸いたら火を止めて5分置く。昆布を取り出し、鰹節を入れて火を付け、再び沸いたらざるで濾す。

4. 2.が炊き上がったら茶碗に盛り付けて、3.の出汁に塩(分量外)、薄口しょう油(分量外)をごく少量加えたものをかける。木の芽を添える。

 

今回、森枝さんが使用したのは、美味しい水のブランド『Cleansui』のお茶をおいしくするための水をつくるポット型浄水器、「和食のためのクリンスイ  JP407-T」。“お茶ならではの繊細な味わいを感じるために、お茶専用の水があればいいのに”という想いから開発。品種はもちろん、採れた時期や場所、製法によって変化するお茶本来の風味を素直に引き出す水について吟味を重ね、クリンスイの技術で実現。甘み、渋み、苦味といったそれぞれのお茶が持つ味わいを楽しめます。

https://shop.cleansui.com/washoku/#t

森枝幹


1986年生まれ。辻料理師専門学校を卒業後、シドニーの和風フレンチレストラン[Tetsuya’s]で修行。その後、日本料理の[湖月]、分子ガストロノミーで有名な[タパス モラキュラーバー]で修行を重ねる。東日本大震災をきっかけに独立を決意。2014年世田谷区代沢にオープンした[サーモン&トラウト]のシェフを務めて話題に。同店を卒業後、現在渋谷パルコ4階にタイ料理レストラン[chompoo]をオープンしシェフを務める。

Instagram:@moriedakan

CREDIT

Photography by Norio Kidera
Text by Kei Sasaki
Edit by Shunpei Narita

Supported by 三菱ケミカル・クリンスイ株式会社

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