連載「vegetusのススメ」#5
年末の胃腸の疲れに『白菜』
年末になるとやって来るのが忘年会。
楽しい仲間とワイワイと飲み食べ語りあう幸せ。
誘われて断りづらい会社の忘年会。会話があまり進まないから食べることに専念したりお酒を飲むことに専念したりと色々ありますよね。 そんな飲み会が連日続き、悲鳴をあげるのは胃腸と肝臓。
そんな時にお家で食べて欲しいのが今回のテーマ『白菜』。
この季節だと白菜はお鍋の具材というイメージが強いですよね。もちろんそれでスープまで飲んで丸ごと栄養吸収っていうのも最高です。
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そうそう!白菜って部位によって栄養素の含有量が違ってくるのは知ってましたか?外側の葉はビタミンCが多く、中心部はカリウムなどのミネラル、そして根元部分には疲労回復を助けるGABAがたっぷり。
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今回は普段と一味違う白菜の使い方として、マリネのレシピをご紹介します。
材料
・白菜
★マリネ液の材料
・塩 小さじ1
・砂糖 大さじ1
・お好みのお酢(ビネガー)大さじ1〜2
・レモン汁(もしくは他の柑橘果汁)大さじ1〜2
・オイル(オリーブオイルや米油)2分の1カップ
作り方
①まずは白菜を低温で蒸していきましょう。
・・・なぜ低温かというと白菜の持つ水分や栄養のロスが少なくすむからです。極力、白菜の栄養素を逃さないようにまるっと吸収したいですよね。低温蒸しにすると、疲労回復やストレス軽減に効果のあるGABAが8倍に増え、さらに糖をエネルギーに変えるアラニンも2倍にアップします。それと加熱に弱いビタミンCが逃げにくく、100度以上の加熱で半減してしまう抗癌成分イソチオシアネートもほぼそのまま残ります。
②蒸し上がりましたらザルに取り出し、しっかりと水分をきります。
水分が残りすぎると食感がベタっとしたり腐敗しやすくなりますのでできるだけしっかりと水分をきりましょう。
③水気をきったらザルから取り出し食べやすいお好みの大きさにカットします。
④次にマリネ液を作ります。上記記載の★マリネ液の材料大きめのボウルに入れて、よくかき混ぜます。
⑤大きめなタッパーやジップロックなどにカットした白菜を入れ、そこにボウルのマリネ液を流し込みよき混ぜ込み(揉み込み)ます。
これで胃腸に優しい白菜のマリネの完成です。
お好みで色々なハーブを足したりすると面白いですよ。 ビネガーも色々違ったもので試すと面白いと思います。ブレンドして自分好みのビネガーにしてもいいですね。オイルも同じようにオリーブオイルや米油やごま油やグレープシードオイルと試してください。ブレンドもオッケー! さらに食べる直前に、エゴマ油やアマニ油をちょい足してもいいです。
マリネ単体でもいいですがせっかくですので白菜と食べ合わせのよい食材を合わせるのも健康へのコツです。簡単にですが効用と食材を記しておきます。
・胃腸調整:レンコン大根
・肝機能向上/二日酔い対策:チーズ、大豆製品、鶏むね肉、ささみ
・ガン予防:ゴボウ、椎茸、ニンニク、人参
・高血圧/動脈硬化予防:枝豆、セロリ、フキ
今回、私は胃腸を労る白菜に、肝機能を労るキャベツをソース状にして合わせました。
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合わせた日本酒は長野県上田市の 「和田龍 純米無濾過搾りたて生原酒」 穏やかで繊細ながらも真っ直ぐに伸びてくる味わいがこの料理のヴィネガーに由来する酢酸と上手く絡み合い白菜本来の甘みを引き立たせてくれます。
合わせた日本ワインは山梨県甲州市の 「ルバイヤート 甲州醸し2023」。 優しい飲み口ながらもガシッとしたやや苦味あるミネラルが料理の塩味と一体化し旨味に進化し後口に残るワインに酢酸が相まって若々しくはつらつとした味わいに。
ノンアルコールで合わせるとしたら梅酢1:炭酸水9の割合で割ったもの(炭酸が苦手な方はミネラルウォーターでも大丈夫)を合わせたら爽快感がでますよ。
さぁ、今年も残すところあとちょっと。まだまだ飲み会が続くかもしれませんがご自身の身体とよく相談して無理しないようにしてくださいね。

- polyphony owner
竹口 敏樹 / Toshiki Takeguchi
映像カメラマンだった20代の頃、偶然立ち寄った酒場で日本酒のおいしさに開眼。独学で日本酒を学び、居酒屋勤務を経て東京・四谷に[酒徒庵]を開店。2015年に[酒徒庵]を閉店し、会員制の日本酒専門店[鎮守の森]をオープン。2021年には、サービスの朝日萌里さんとともに、自らが厨房に立ちラクト・オボ・ベジタブルのコース料理を提供する[polyphony]をオープン。著書に『もっと好きになる 日本酒選びの教科書』(ナツメ社刊)がある。
IG @polyphony2021