連載「YADOKARI LIFE IN KUMAMOTO」#3
上天草にオアシス発見
「熊本」をテーマにした今連載は早くもvol.3!前回までは熊本市内のお店や人をご紹介しましたが、今回は少し飛び出して舞台は「上天草」へ!
中心地から車を1〜2時間走らせると大自然を堪能できるのが熊本の良さの1つだと僕は感じています。中でも「阿蘇」と「天草」は熊本2大観光名所。移住して半年ばかりのわたくし森嶋調べで完全にそう出ています。朝職場のコーヒーショップに来てくれる観光客のほとんどは、このどちらかに行くんだよ!と伝えてくれるし、熊本に住む人たちも阿蘇と天草をパワースポットとして特別に感じてる人も多いはず。
そんな10月1週目のある休日。何を思い立ったかのか天草へ行くぞ!と早朝からペダルを漕いだ。
そう自転車。。。
変速ギアのないいわゆるシングルギアのトラックバイク。東京から洋服と共に持ってきた唯一のアイテムかつ相棒。学生時代に自動車免許を取り損ねて、まあ東京生活に車なんて必要なくない?と本気で思って全ての街を自転車で移動していたこの感覚。熊本ではなかなか通用しない。距離で言うと片道55kmなので、往復で6時間程は最低でも自転車に乗っていたわけです。
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マイ自転車を天草の美しい海とともに自己満ショット。行きはいいんだよな〜行きは!
自転車話をしたくて漕いだわけでもないので早速割愛しますが、苦労の分だけ喜びが大きく感じられるように、とにかくこの時の僕は感動も感度も倍くらいになれるハイな状態でした。
今回真っ先に目指したのは[LYS]!
デザートをメインにコーヒーやハーブティー、季節のドリンクを出すお店です(リスと読みます。フランス語でユリを意味します)。 僕が現在勤めるコーヒーショップの姉妹店[licht coffee & cakes]で、長く店長としてたくさんのお客さんを魅了した尾上裕紀さん (通称オノピー) が奥さんの莉奈さんと2人で営む上天草の新しいリアルオアシスです。
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最初に[LYS]で食べたコーヒーゼリーと、オリジナルのブレンドをホットで。現在取り扱うコーヒー豆は熊本市内水前寺公園近くの[COFFEE BLUE]さんに焙煎をお願いしたもの。ペルーとグアテマラだったかな。煎りは浅いけど包容力のある、甘さの余韻が長いコーヒー。めちゃくちゃ美味しかった。「色んな器やマグがあるんだけど、お客さんの反応が良くてついつい選んじゃうだよ」と教えてくれたのは、天草の作家〈あよお〉によるもの。(写真右側の湯呑み)
上天草市は本土と橋で繋がっている部分と、幾つもの離島からできていて、[LYS]は熊本本土から1つ目の橋、天門橋を渡った大矢野島の海沿いにお店を構えています。なので広い天草エリアの中でも、割と熊本中心地からは近いんです。ま、自転車だと休憩なしで3時間はかかるんだけどね(白目)。
[LYS]がオープンしたのは9月中旬だったはずなのでまだできたてホヤホヤ。連載序盤で新店舗紹介ってなんだか流行りものを拾ってるみたいだし、そもそも僕みたいな立場で評価をするのってどうなの?と自分自身にツッコミまくりなんですが、これだけは声を大にして言いたい「LYS最高!」
めちゃくちゃいいんですよね。まずはロケーション!天草の綺麗な海がすぐ目の前だし、印象的なカウンターの大きな窓からはヤシの木なのかな?絵本から飛び出たような景色を眺めながらゆっくりティータイムできます。東京では確実にお目にかかれませんね。
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いちじくのタルトとハーブティー。ハーブティーはフランスの茶葉をシーズンに合わせて気分でブレンド。タルトはしっとりじんわり。アイス合わせたらそりゃもう120点。
飲食店の話になると「お客様は人につく。」といった言葉をよく聞く気がするけど、2人はまさしくそれを体現していると思う。丁寧で優しいお菓子とコーヒーを当たり前のように楽しめて、何気ない会話とか気配りが心地よい。気を張らなくていいというのをお店に入った瞬間に感じ取れるのは自然体で柔らかい2人によるものなんだな~と合計1リットルくらいの水を注いでもらいながらしみじみ感じてました。(すみません2人!そして天草の水うめえ!)
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食器を片付けるオノピーとお店から見える景色。窓のそばでクネクネしている木は[LYS]の”Y”を形取って整えられたとか、ないとか。
早速地元の人たちの憩いの場にもなっていて、ドアを開けた年配のお客さんに「今日もお茶していきますー?」と話しかける尾上さんの姿が僕は印象的でした。これから[LYS]の2人に会いに上天草に来る人もウンと増えて、このエリアも少しずつ活気がでるんだろうなと想像しては、飲食店の持つパワーって素晴らしい!と言葉足らずですが思ったわけです。
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お店の外で店主2人のツーショット。個人的にお気に入りな写真。印象的な2人の制服でもある花柄のシャツは、熊本の街中にお店を構える[Sleepy People]さんが取り扱う[OUTIL]によるもの。サラッと着こなしててかっこいいな!
[LYS]でまずコーヒーを楽しんだ後は、2人に聞いたおすすめの上天草ランチスポットの1つ[水天]へ。熊本の美味しい魚はかなりの割合で天草の海から届くので、やはりおすすめされたお店はどれも海鮮のお店。[水天]は上天草の町寿司にあたる存在なのかな。1日30食限定!と書いてあった海鮮丼を一見さん感、ド丸出しで頂きました。レポート失格なのですが、この時はもう本当に身体がエネルギーを求めていたので「美味しい。」という言葉以外出てこなかったのと、また冷静かつ整った状態で噛み締めたいと感じました。また来ます。多分免許取って車でね!
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カウンターで食べた海鮮丼!イクラとかウニとか海老とかもちろん人気者も好きだけど、熊本で食べる白身魚はどれも食感がコリっとしていて旨みを凄く感じるんだよな~。冷静さを欠いて米大盛り。なんたる贅沢。
[水天]の近くに[上天草物産館さんぱーる]という道の駅的なスポットを見つけたので帰り際、迷わず寄ってみることに。地方に行く時その土地の名産品をじっくり見れるのはテンションがあがりますよね。流石に自転車で炎天下の中、なまものを長時間運ぶのは怖かったので、海鮮コーナーを横目にお土産的な感覚で白オクラのみを購入。次の日に家で焼いたけど、風味と食感が普段食べるオクラとは別次元で驚きました。
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唯一のお土産、白オクラ。
このあと[LYS]に戻って再度ゆっくりお茶をし、近くの名所、源泉掛け流しの洞窟温泉[大洞窟の宿 湯楽亭]で立ち寄り湯をキメて回復してから街に戻ろうと思っていた午後の僕。爪が甘かった。
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必ずリベンジするぞ!待ってろよ[湯楽亭]!
[湯楽亭]の受付時間は①10:00-14:00 ②18:30-20:00 と2部制になっていて、[LYS]で時計を確認すると時刻は14:20。詰んだ。夜の部まで待つと外は真っ暗で帰り道が本当に危ないので泣く泣く断念。激しい後悔とともに、時間が溶けてしまうくらい居心地が良かったんだなと[LYS]を憎みながら帰りの自転車を漕ぎ始めました。
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[上天草物産館さんぱーる]近くのほとりで撮ったスナップショット!上天草最高だな。
[LYS]の目の前には弓ヶ浜海水浴場もあって、近くの[湯楽亭]と合わせたらオールシーズン楽しめる素晴らしいエリアなので、直近で天草ツアーを考えてる人は是非とも僕の代わりにリベンジしてくださいね。
[LYS]でお茶
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海水浴場を散歩
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海鮮ランチ&道の駅でディグ
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湯楽亭でゆったり
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[LYS]のデザートでフィニッシュ!
というコースはいかがでしょうか。
それではまた次回です。いつも拙い文書を最後まで見てくれる皆さんありがとうございます。
LYS
熊本県上天草市大矢野町上5195-6(Google Maps)
9:00-18:00(17:30LO)
定休毎週木曜+不定休
IG @lys_amakusaGluck Coffee Spot
熊本県熊本市中央区城東町5-52(Google Maps)
7:00〜19:00
IG @gluckcoffeespotGluck Coffee Roaster
熊本県熊本市東区下南部3-12−24(Google Maps)
11:00〜18:00
木定休(+不定休)
IG @gluckcoffeeroaster
1996年、東京生まれ。都内のコーヒースタンド, カフェで勤務したのち現在は熊本に移住。モリッシー、モリモリ、インティライミと呼び名は様々。スケートボードが大好き。
IG @naoto_moroshima_