
一冊まるごと、スリランカ
[カラピンチャ]と開く、スリランカ料理の世界
スリランカと聞くと思い浮かべるのは紅茶で、その先まで連想が膨らむ人は、そこまで多くないような気がする。
ただ、もちろんスリランカにはスリランカの食文化がある。日本ではまだ馴染み深いとは決して言えない、スリランカ独自の料理に焦点を当てたスリランカ料理の専門書が発売される。
著者は、神戸でライス&カリーを中心にスリランカ料理を提供する[カラピンチャ]の店主・濱田祐介さん。
濱田さんが初めてスリランカを訪れたのは、2004年のこと。現地の食・人・文化に魅了されると、2011年には現地のレストランで勤務。その熱は冷めることなく続き、帰国後の2012年から神戸で間借り営業をはじめ、2013年に実店舗をオープンした。
本書には、ライス&カリーから朝ごはん、ロールスやロティといった軽食、そしてスイーツまで125品のレシピを収録。さらに、スリランカの食文化や歴史的背景についてのコラムも盛り込まれている。
特に、スリランカで最もポピュラーな食事様式である「ライス&カリー」については、8つのパターンを示しながら多角的に解説するという、ボリューム満点の内容となっている。


レシピも日本国内における食卓のシーンからすると、なじみのない料理だからこそ、一つひとつ、文章や写真を交えながら丁寧に説明が展開される。スリランカ料理が初めての人から、すでに親しんでいる人まで幅広く楽しめそうだ。
そして何より、ただレシピが列挙されているわけではなく、「どうしてこのスタイルになったのか」という理由までが添えられているため、成り立ちの背景を知り、納得しながら作ることができるのも嬉しい。

ほかにも、スリランカンタミル料理、ランプライス、スリランカンチャイニーズなど、多民族国家であるスリランカならではの多彩な料理も紹介。
ちなみに店名である「カラピンチャ」とは、スリランカ料理で欠かすことのできないハーブ、カレーリーフのシンハラ語名。スリランカではシンハラ語とタミル語が公用語として使われている、なんていうことも本書の入り口で知ることができる。
少し遠い国の日々に思いを馳せながら料理を作り、食べる。
ページをめくれば、スリランカへの旅はもう始まっているのかもしれない。
スリランカ料理
ライス&カリー、朝ごはん、軽食、スイーツからランプライスまで、スリランカの食を深く知るための125品著者:濱田祐介(カラピンチャ)
出版社:柴田書店
発行年月日:2026年9月1日
価格:5,940円 (税込)
IG:@karapincha_jp
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