『ベンガル料理はおいしい』発刊記念

ユザーン&石濱匡雄「ベンガル料理の夕べ vol.1」レポート


RiCE.pressRiCE.press  / Aug 2, 2019

スパイスカレーを特集したRiCE最新号において、「二人のインド楽器奏者がインド料理本を出したわけ」と題した対談も行なったタブラ奏者のユザーンさんとシタール奏者の石濱匡雄さんが、7月13日に「ベンガル料理の夕べ vol.1」を開催した。定員100名のチケットは即日完売という人気ぶり。石濱さんが作るベンガル料理と二人のスペシャルライブにトークと、コルカタまで飛んだとしても楽しむことができない特別な夕べとなった。

会場の[The Fleming House]は清澄白河の住宅街の倉庫をリノベーションしたイベントスペース。天井が高く四角いプレートの館内は開放的で一体感がある。開場前から行列を作った来場者たちが会場に入るとすぐに、石濱さんが作ったベンガル料理プレートが振舞われた。

丸いスープ入れには「レンズ豆のスープ(ダール)」、その隣には「シラスと野菜の碗チョッチョリ」という蒸し煮料理、右手の「チキンのジョル」はスープカレーのような感覚、そして「ナスのマスタードオイル焼き」が乗るのはバスマティライスが載った特製プレートだ。

△ きれいなイラスト付きのメニュー解説がゲスト一人一人に渡された。

コースのように数種類の料理を順番に食べていくのがベンガル料理の特徴だ。メニュー解説の通り、ダール、チョッチョリ、チキンジョルの順に食べ始めると、本格的なスパイス料理にスプーンが止まらなくなる。

もう一つの石濱さん特製の品「アイスチャイ」の他、ビールやワインなどを片手にいつもとは一味違う夕飯を楽しむことができた。

ベンガル料理で達人級の腕を持つ石濱さんのレシピ本をユザーンさんが監修する形で『ベンガル料理はおいしい』が発売されたわけだが、食べたことのない味を作ってみるのと、一度味を知った上で作ってみるのとでは自ずと楽しめる度合いも違ってくるだろう。

会場では[神戸スパイス]ブースも設けられ、ターメリックなど基本のスパイスからベンガル地方でよく用いられるカロンジ(ニゲラシード)まで種々のスパイスが取り揃えられた。また「シャヒガラムマサラ」という13種のスパイスブレンドは石濱さん特製でこの夜が先行発売となり、家に帰ってまたすぐにベンガル料理を作れるという形が整えられていた。

ゆっくりと食べ物飲み物を楽しみ終えるころ、満を持してユザーンさんと石濱さんがステージに登場。

「実はレンズ豆のダールにチリを入れ過ぎました」(石濱さん)というのもご愛嬌で、およそ30分、圧巻のライブセッションを披露した。打楽器でありベースやシンセサイザーの伴奏のような役割までこなすことができるユザーンさんのタブラと、長いトーンと激しいソロ奏法を行き来する石濱さんの演奏には、たった二人とは思えないほどの広がりと奥行きがあった。

休憩を挟んだ後、編集を務めた伊藤総研の伊藤さんが司会を務めてのトーク。足掛け3年の企画がついに実現した裏話を軽妙な掛け合いで繰り広げた。

石濱さんは初めてのレシピ化で作ってくれた人の反応が気になり、Twitterで本書に関するつぶやきをチェックしているそうで、直接コツのアドバイスもしてしまうほど。今回のイベントのためにも100食分以上を一人で調理し、大量のターメリックで顔まで黄色くなったという。

エピソードの一つ一つから石濱さんのベンガル料理への愛と本書への思いが感じられるトークを楽しむことができた。

△ 「(カレーの調理で使ったスパイスで)手が黄色くなった」と手を上げて見せた石濱さんだったが、ちょうどプロジェクターの黄色い光と被り、「そら黄色いわ」とユーザンさんにすかさずツッコまれ爆笑を誘った。

「ベンガル料理の夕べ vol.1」は大盛況のうちに終了。トークセッションの後はドリンクを楽しんだり、ユザーンさん、石濱さんが『ベンガル料理はおいしい』にサインをサービスしたりと、アットホームな雰囲気のプレミアイベントとなった。早くも「vol.2」開催への期待も多く聞こえた夕べだった。

ユザーン
北インドの打楽器、タブラの奏者。1998年よりインド・コルカタでオニンド・チャタルジー氏にタブラを師事。以降ほぼ毎年インドに長期滞在しタブラを学び、2005年からはザキール・フセイン氏にも師事している。レイ・ハラカミ、坂本龍一、矢野顕子など数多くのアーティストとのライブやレコーディングへの参加で知られるほか、インド滞在時のツイートをまとめた著書『ムンバイなう。』も話題となった。

石濱匡雄
北インドの弦楽器、シタールの奏者。15歳でシタールを習い始め、1997年に初渡印。1999年よりモノジ・シャンカール氏に師事。国内外でさまざまなジャンルのアーティストとコラボレートし、シタールの新たな可能性を打ち出している。また、インド在住経験を生かし現地の家庭料理の紹介、自身の番組でのラジオパーソナリティなど多彩な側面を持つ。2019年はソロアルバム『Tattva』をリリース。

『ベンガル料理はおいしい』
著:石濱匡雄
監修:ユザーン
写真:木寺紀雄
発行:伊藤総研+NUMABOOKS

http://numabooks.com/bengal.html

ユザーンさんと石濱さんの対談記事がRiCE最新号に掲載。
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