連載「一年住んだらコスタリカ人になれるか」#1
住んでみないとわからないんじゃないか
コスタリカにきて一週間ほどがたった今日、近くの市場に行ってみることにした。中南米に位置するこの国は、天気がはっきりしていて、11月までは雨季。午前中はカラッと晴れて、午後には雨が1~2時間ほど降る。ほぼ毎日こんな感じ。
なので、朝から活気があって、多くの人が街中をぞろぞろ歩いている。めっちゃみんなひとりごと言うやん、って思っていたらメッセージはみんな音声入力らしい。
市場に入ると、たくさん話しかけてくれたのだけど、まったくスペイン語がわからない笑。おもむろに手渡された試食の謎フルーツ。「やっぱりコスタリカにいるんだ」とあらためてかみしめる。
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Mamoncillo(マモンシージョ)というらしい。甘酸っぱくて食感はライチ。
ぼくはこれから一年、コスタリカに住むことにした。
大学時代、ひょんなことからコーヒーにのめりこんで、勢いで休学して4日間だけ訪れたコスタリカ。昔から自己表現が苦手だったぼくが、やっと夢中になれることを見つけて、「誰がどこでつくってるか知りたい」という好奇心があった。
それから、ぼくの食(コーヒー)体験への関心は、味と同じくらい、その背景にむかっていった。
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大学時代に訪れたコーヒー農園。その時はエルサルバドルとグアテマラにも。
「今度はコスタリカに住んでみたい」という欲がとうとう抑えられなくなり、6年ぶりにこの国に戻ってきた。今回も、コーヒー農園の近くでいろいろな経験をしたいという軸はあれど、何より本気で住んでみて、できるだけコスタリカ人になってみたいと思った。
この連載では、コスタリカのたのしい食生活や、それにまつわるエピソードとともに、自分の中の非日常が、日常になっていく=コスタリカ人に近づいていく過程を綴っていきたい。
最初の一か月は、首都サンホセからバスで30分ほどの「エレディア」という町に滞在することにした。エアビーでホストの評価が猛烈に高かったので、そこにした笑。
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いつもの散歩コースからみえる街並み。山々がうつくしい。
そして出会ったイネス。
ぼくが生まれた年(97年)からホストマザーをしているレジェンド。
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イネスは本当にレジェンドで、コスタリカの母のようだ。留学生の受け入れや、送迎バスの運転手、ピアノの先生、それにタコス屋さんまでやっていたらしい。そんなイネスに、とにかく質問しまくった。
朝散歩する
↓
町で出会った不思議な光景について質問する
↓
イネスが答える
↓
同居人(ドイツ人とエクアドル人)たちが笑って聞いている
というくだりをひたすらに繰り返す日々で、とっても愉快でほっこり安心できた。
ありがとうイネス。
それで、市場で買ってきたPiña(パイナップル)やGuayaba(グアバ)をもってかえると、ささっとジュースにしてくれた。
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ピンクすぎない?
コスタリカのフルーツは、種類が多くて安くて味が濃くて最高においしい! だけどジュースにするときは水と砂糖を少し加えて冷蔵しておくのがコスタリカ流。
そしてショットみたいに出してくれたこちら……
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なんだこれ……
ぼくは基本的にペットボトルに入った手作りっぽいドリンクは信用していない。
聞くと、Leche Agria(酸っぱい牛乳)という、牛乳を常温で発酵させた、先人の知恵が生み出した伝統的なドリンクらしい。
やばそう、と思って飲むと、あら意外といける。そして塩を一振り。「チーズっぽさのある飲むヨーグルト」みたいな。
「私が小さい頃は、よく焼きたてのトルティーヤと一緒に家族で飲んでいた。今は、ほんの少し塩をいれて、目覚めの一杯でくいっといってる。これが最高。だけど、いまの若い人たちはもう全然飲まないね~。氷とシロップをいれて、お水で割ればとってもおいしいのに」。
と語ってくれた。たしかに辛い味付けのトルティーヤとかだったら相性いいかも。
そんな感じで、コスタリカあるあるを叩き込まれているエレディア生活。次回はイネスの本気の料理をいただきます。

- Coffee Traveler
佐々木 奎太 / Keita Sasaki
1997年、福島生まれ仙台育ち。大学時代、コーヒーの奥深さや、それを取り巻く環境すべてに興味を持ち始め、中南米諸国のコーヒー農園を巡る。その後、コーヒーの焙煎や大会出場の経験を生かし、フリーランスとしてコーヒーの出店をはじめる。2022年より、株式会社The Youthが運営する六本木[Common]にて店舗マネージャーを4年ほど務めた後、2026年5月より再びコスタリカへ。
IG:@tamakei9