たけのこ、伊勢海老、太刀魚…3つの海に囲まれた関西の台所の魅力

再現・映画飯!『波乗りオフィスへようこそ』の徳島の食


RiCE.pressRiCE.press  / Apr 19, 2019

329日、渋谷のTurn Tableで、映画『波乗りオフィスへようこそ』に登場する食を再現するイベント映画の中の徳島の食を味わう会が開催された。参加客たちは映画に登場した、日和佐漁港直送の刺し身や伊勢海老のグラタン、太刀魚と豆腐の煮物、たけのこの押し寿司などの名物を同地の日本酒やすだち酎などとともに楽しんだ。明石知幸監督と、映画の原案となった書籍『本社は田舎に限る』著者の吉田基晴さんとのトークの模様をお伝えする。

映画は東京で優秀な人材を確保できなくなったIT会社の社長が、故郷の徳島で求人してみたところサーフィンや狩猟を愛していたりお遍路にハマっていたりする人材が集まり、会社の業績は上向きに、さらに地方都市と企業のマッチングビジネスも始めたサクセスストーリーだ。映画の中で徳島は「四国の右下」などと言われているが、ネット環境が整っており、ベンチャー企業のサテライトオフィスは美波町だけで19社。県全体では3桁になったという。実際に吉田さんの体験を基にした物語で、脚本を手がけたのは吉田さんがUターンしたのと同じ徳島県美波町出身の明石監督。社長や社員たちが積極的に地域に溶け込んでいくなかで土地の人からふるまわれる料理が印象的に使われている。

(『波乗りオフィスへようこそ』(C) 2019ポンコツ商会)

煮豆入りのちらし寿司や伊勢海老の味噌汁などは、明石監督にとっても幼いころから食べ慣れた味。「撮影時に使われたものは撮影が終わって楽しみにして行ってみたらもうなくなっていた。だから今日は楽しみに来ました!」と会場を和ませた。女優の眞嶋優さんも「徳島にロケに行く前まではお刺身が苦手でした。でも、刺し身をパクパク食べるというシーンで「えーい、仕方がない、行っちゃえ!」と思って食べてみたら、まあおいしい!!」と新鮮だった食体験を語った。

原案書籍の著者、吉田さんはサテライトオフィスを故郷に作ったことは苦し紛れの一策に過ぎなかったという。当時、地方創生などもまったく意識していなかった。

「地方創生などと言うと、東京から見て地方が大変だから助けるという見方があると思う。けれど会社設立パーティのとき、宇崎竜童さんが演じているお世話になった方が、朝2時か3時に起きて船を出して鰹を釣ってきてくれた。それでお礼を言いに行ったら「東京から来た人に恥はかかせられん」と言われたんです。僕はそれまで恥って自分でかくものだと思っていた。その方は、相手に恥をかかせたくないという理由で、真夜中から起き出して4、5時間かけて釣れるか釣れないかもわからない鰹を釣りに行く。ガソリン代だって何万円もかけて人のために汗をかく。ご馳走ってこういうことかと。僕にとってはそれはすごい印象的でした。自分のことを振り返ると、そんなことで人のために動いたことあるのかと。得するから何かをやるのではない。世の中ウィンウィンとかギブアンドテイクとか1対1だからやりますみたいな世界なのに、そうじゃない理由で動ける人たちが田舎にはいて、田舎には何もないと言いますけど、一番大事な理由で動ける人が田舎にはいるんだと、私自身がそこから考え方が変わりましたし、この映画の中にもそういうことがわかるシーンを監督が入れてくださっています。この映画が、得するからやるんじゃないよね、という気持ちを取り戻すきっかけになってほしいです。食の生産者の皆さんも、本当に汗をかいておいしいものを作っている。映画を見てそういうことを思い出していただければというのが僕の願いです。」

映画は徳島では45日からイオンシネマ徳島にて先行公開、419日から有楽町スバル座ほかにて全国順次公開される。

『波乗りオフィスへようこそ』

監督・脚本:明石知幸
出演:関口知宏、宇崎竜童
配給:マジックアワー
2019年/日本、108

C 2019ポンコツ商会
公式サイト:www.naminori-office.com

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