
きょう何食べた? #10 学芸大学編
[wineshop lulu]スタッフ・小林杏さんの夜ごはん
「きょう何食べた?」は、東京のフードカルチャーシーンで注目を集める人たちに、ある一日の朝、昼、夜ごはんを紹介してもらう連載企画。食べ物だけでなく、その人のライフスタイル、街との関わり、仲間との時間など、“人と食と街のストーリー” を浮かび上がらせます。第10回は学芸大学にある[wineshop lulu]のスタッフ・小林杏さんが登場。馴染みの学芸大学を巡りました。
[有縁]のホタテの塩なめろう、エイヒレ、日本酒

ホタテの食感と濃厚な旨味を生かした「ホタテの塩なめろう」。ネギの風味がアクセントとなり、日本酒が進む一品だ。合わせたのは、島根・旭日酒造の「+旭日」。骨太な味わいの純米酒で、この日は熟成感が穏やかな一本を燗で楽しんだ。

肉厚で食べ応えのある国産のエイヒレ。噛むとほくほくとした食感で、素材そのものの甘味と旨味がじんわり広がる。「エイヒレのイメージが変わるくらい美味しい」と小林さんも絶賛。合わせたのは、香川・丸尾本店の「悦 凱陣」。旨味のあるエイヒレと相性抜群。
[有縁]さんには、仕事終わりや予定のない学芸大学で過ごす休日に行くこともあります。[lulu]で働いていると、なぜか仕事終わりに和食がすごく食べたくなるんですよ。学芸大学には魚が美味しい居酒屋さんも多いんですけど、ここは料理もお酒も本当に美味しくて、来るたびにワクワクします。
もともと会社員時代に仙台に住んでいたこともあって、日本酒は好きでした。ただ、詳しいわけではなくて、「すっきりしたものが好きです」くらいの感じだったんです。それが[有縁]さんに通うようになって、熟成酒の美味しさを教えてもらいました。熟成酒って、旨味をベースにした味わいや、時間を重ねることで生まれる複雑さがあって、ナチュラルワインにも通じるところがあるなと思うんです。それがすごく面白い。
料理も本当にお酒が進む味なんです。今日のホタテの塩なめろうも最高でした。料理と日本酒、どちらかが脇役になるのではなく、両方とも主役級に美味しいのに喧嘩しない。そのバランスが、この店のすごいところだと思います。
[有縁]さんで日本酒を教えてもらうようになって、ワインショップで接客する自分にとっても勉強になることが多いです。私自身、日本酒について「よく分からない」という感覚があるからこそ、「ワインが分からない」と言うお客さんの気持ちもすごく分かるようになって。自分もワインをもっと分かりやすく伝えよう、と考えるきっかけにもなっています。
[lulu]のお客さんから「この辺でおすすめのお店はありますか?」と聞かれた時、日本酒が好きな方にはまず[有縁]さんを紹介します。逆に[有縁]さんのお客さんが[lulu]に来てくださることもあって、そうやって街の中でお客さんが行き来している関係性も素敵だなと思います。
学芸大学の中でも、ここはちょっと特別な、大人っぽい空気があるお店。料理も空間も素敵だけど、一番好きなのは、蝶野(慶一)さんと石川(健太)さんが心から日本酒を好きなことです。知識も経験もあって、たくさん飲んでいる二人だからこそ安心して任せられる。難しいことが分からなくても、ここに来ておすすめを飲めば、まず美味しい。それが[有縁]さんの一番の魅力だと思います。

カウンター越しに、[有縁]を営む蝶野さん、石川さんとの会話を楽しむ。二人は自ら酒蔵や生産者のもとへ足を運び、そこで得た知識や体験を交えながら提案してくれる。「何より、お二人が本当に日本酒を好きなのが伝わってくる。その姿勢にすごく共感します」と小林さん。

[有縁]で初めて燗酒の美味しさを知ったという小林さん。それまでは冷酒を選ぶことが多かったが、温めることで日本酒の旨味がぐっと広がることに驚いたそう。「あったかい日本酒って、こんなに美味しいんだ!」と、今ではお気に入りの楽しみ方に。

締めにいただいたのは、鱧のお吸い物。鱧の旨味が溶け込んだやさしい出汁が、日本酒を楽しんだあとの体にじんわりと染み渡る。

有縁
東京都目黒区碑文谷6丁目6−6 GAKUDAI COLLECTIV C 2
平日17:00〜23:00(22:00 LO)、土日祝 14:00〜23:00(22:00 LO)
毎週月曜、第2・4火曜定休
IG @uengakudaiModel by An Kobayashi(モデル 小林杏)IG @an__kobayashi
Photo by Misa Shimazu (写真 島津美紗)IG @smzms_620
Text by Shingo Akuzawa(文 阿久沢慎吾)
RiCE.press
RiCE.press 





Shion Kakizaki 
Ai Ito 

Takashi Watanabe 











