連載「あの人、そのレシピ」

二人目、龍﨑さんのドライカレー


Shin HamadaShin Hamada  / Feb 10, 2023

あの人が作る、記憶に残るあの料理。

親や友人、身近な人々の料理にお金を払ったりすることはないけれど、
お店では食べられない味と空気が確かにそこにある。

人とレシピ、そしてその背景を僕の目線で記録することにした。

(取材・写真・文=濱田晋)


龍﨑さんのドライカレー

龍﨑さんは写真家だ。
昔はたまに家でご飯を食べたり、飲みに行ったりしていたけれど、最近はあまりゆっくり会えていなかった。

料理が上手で、手作りラー油や手作りマヨネーズまで作ってしまう。久しぶりに食べたくなって、いざ西東京へ。

濱「料理色々作りますよね」

龍「飲食で長いこと働いてたからさ」

濱「タイ料理屋でしたっけ?」

龍「あと居酒屋とイタリアン」

濱「居酒屋もあるんですか?」

龍「あるよ。立川の個人経営の。あ、米は研がないからね。カリーだから。タイ米だし。これは女王?王様? どっちだっけ。カルダモン。硬っ! 手でやるの痛すぎ」

濱「てか今日はなんでドライカレーなんでしたっけ?」

龍「母親の料理なんだけど、子供の時ドライカレーっていうとハズレの日だったのよ。子供だったし辛いの食えないし。でも親父がすごい好きでちょくちょく出てきたメニューで。大学で一人暮らしするようになって、実家の味食べたいな〜ってなった時に、ドライカレー作りたいと思って。で、実家帰った時に母親からレシピ聞いて作るようになった」

濱「一回目で完全再現できました?」

龍「一回目はできなかったかなぁ。今はできてると思う」

濱「じゃあ今日は龍﨑家のドライカレー食べてると言っても過言ではないと」

龍「そうそう。全然いいと思う」

濱「それ何用ですか?」

龍「これトマトサラダ。あ、トマトサラダかも、一番最初に作った母親の料理」

濱「じゃあ今日はドライカレーとトマトサラダですね」

龍「そうだね」

濱「いい匂いしてきたなぁ〜」

龍「美味しいと思うよ。だって山岡士郎も言ってたもん。『空腹は最高のスパイスだ』って」

Cooking by Suguru Ryuzaki
Photo, Interview & Text by Shin Hamada
Edit by Airi Kato & Yoshiki Tatezaki

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