エディターズノート

「RiCE」第12号「コーヒー」特集に寄せて


Hiroshi InadaHiroshi Inada  / Oct 29, 2019

おかげさまでRiCE は今号で創刊3 周年を迎えることが出来ました。そして前号でリニューアルしてからの第2 弾となる今回は、初の「コーヒー」特集です。

そう。意外かもしれませんが実は初めてなんですコーヒーは。やってなかったのが自分でも不思議というか、「え、何度目ですか?」なんて聞き返されたこともあるくらい。

何故そう感じさせるかというと、コーヒーくらいカルチャーそのものが広がっているジャンルもほとんど他にないからでしょう。フードカルチャーをテーマに掲げる本誌が避けて通れるわけがない。にもかかわらず、これまではどこか避ける気持ちもあったのかもしれません。

プロアマ問わずコーヒー好きにはマニアックな人が多く、一家言持った人、話し出すと止まらない人もたくさんいます。サードウェーブ以降のかっこいいコーヒーショップ/スタンドは全国に広がっており、コーヒーブームはまだまだ続きそうな気配。どのタイミングでどういう切り口にしたらいいのか測りかねていたのだと思います。

コーヒーは、世界最大とも言えるグローバルな嗜好品であり、かつ誰でもアクセス可能な開かれた飲み物です。シンプルであるだけにスタイルは様々。
自分の好みと気分で選びとれば良い。つまりコーヒーは、“選択のアート” と呼びうるのではないか。

一杯のコーヒーが完成するまでには無数の選択肢があります。大きく分けると ①豆 ②焙煎 ③粉砕 ④抽出とあって、それぞれに種類と方法、スタイルがある。カフェオーナーやバリスタに代表されるプロの方々は、それらを意識的に選びとった末に、自分(とお客様)にとっての「一番美味しい」を提供しているはず。

そして選択には必ず理由があるはずです。今回の特集では、その道のプロの方々に、敢えてその理由を問うことから始めてみました。「何故?」と。

コーヒーの世界は深くて広く、達人や名人、文化人の方々がたくさんいらっしゃいます。取材を進める中で感銘を受けたのは、皆さんいずれも真摯にこちらの問いに答えようとしてくれたこと。一杯のコーヒーには無数の選択を経たメッセージが籠められているのです。われわれ一人ひとりに宛てられた手紙のようなものかもしれません。美味しいコーヒーを味わうお供にこのRiCEを手に取っていただけたら、最高に嬉しいです。

「RiCE」編集長 稲田浩

当記事はRiCE No.12「コーヒーの何故?」の記事をWEBサイト用に再編集しています。RiCE No.12の内容を見る

CREDIT
Illustration: Masakatsu Shimoda

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