希少ワインとワイン好きが集結!

「Transit Wine Fes’ 2023 Vol.5」でソムリエに聞いた、ワインの楽しみ


RiCE.pressRiCE.press  / Dec 7, 2023

ナチュラルワインを入口にワインを飲む仲間が増えた今、「おいしいワインを飲みに行こう」という誘い文句から始まる外食も増えた。どんなワインも楽しめちゃうタチだけど、やっぱり本当に美味しいワインの楽しみかたを知っているソムリエのいる店は信頼できる。

ワインを知り、ワインの楽しみを教えてくれる精鋭ソムリエが、集うワインイベント『Transit Wine Fes’ 2023 Vol.5』が先日開催された。トランジットジェネラルオフィスが誇るソムリエチームが厳選したジャンルレスなワイン専門オンラインショップ「TRANSIT WINE CELLARS」が主催するイベントだ。
この冬のとっておきワインと出会うべく、イベントにお邪魔してきた。その模様をお届けしよう!

 

精鋭ソムリエが集結したワインイベント

トランジットジェネラルオフィスといえば、今ホットな麻布台ヒルズの[AZABUDAI HILLS CAFE]をはじめ、[dam brewery restaurant][Pacific DRIVE-IN][THE UPPER]など、ユニークでエッジの効いたセンスでフードトレンドを牽引するカルチュラル・エンジニアリング・カンパニーだ。ここ数年、ソムリエ育成に力を入れており、いまや総勢50名のソムリエが在籍し、各店舗でさまざまなワイン体験を提供している。

オンラインワインショップ「TRANSIT WINE CELLARS」では、そのソムリエチームがそれぞれの視点でセレクトしたワインを販売。手に入りにくいブルゴーニュやボルドーなどのオールドヴィンテージをはじめ、ナチュラルワインやデイリーワインまで。バラエティー豊かなワインが揃うので、年末年始のパーティに向けてぜひチェックしてみるといいだろう。

さて、今回で5回目を迎える『Transit Wine Fes』は、大東京の夜景を眺めながらクラシックなフランス料理を味わうことのできるブラッスリー[THE UPPER]で開催された。カジュアルなワインから格式ある重厚なワインまでラインアップされた、そのワインの数は過去最多となる約120種類。

ピンク色のグラデーションが目にも楽しい世界の「ロゼワインブース」、ボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュを中心とした希少かつ高級な「グランヴァンブース」、世界が注目する日本の銘醸地、余市(北海道)のワインを取り揃そろえた「余市ブース」など、企画力とセレクト力が光るブースが並んだ。

ワイン界のバンクシー[KAZU WINE]も登場

今回の目玉は、ニュージーランド、スペインのカタルーニャ、日本と世界を股に掛けながら、神出鬼没に活動を行うワイン界のバンクシーこと藤巻一臣氏が造り出す[KAZU WINE]。世界中のワイナリーを訪れ、地元のぶどうを仕込んで造ったナチュラルワインを現地から日本へ逆輸入するという新しいスタイルで、日本ワインに新しい風を吹かしている。

左から”WHY NOT?” CHARDONNAY 2021/”WHY NOT?” PINOT NOIR 2021/”I’M SORRY MAMA” 2022/おじさん・ルージュ2022/”DO THE RIGHT THING” 2022。「楽しいワイン」を目指しているという藤巻氏のワインはエチケットも楽しげだ。「レコードのジャケットと同じ」と藤巻氏

日本でのワイン造りを経て、世界に飛び出した藤巻氏。両方のワイン造りを知ったことで、表現も広がっているという。

「海外でワインを造ったことで、日本でのワイン造りは水彩絵の具で油絵を描こうとしていたようなものだったんだと気づきましたね。
ニュージーランドやカタルーニャは、フランスやイタリアに比べると原料も高騰しておらず、新しいことが挑戦しやすい産地。いろいろとトライしていきたですね」と熱い思いを語りながらも「これも飲んでみてくださいよ!」「ね、おいしいでしょう? 最高ですよね!」と盛り上げてくれる。

どれもスルスルと飲めるおいしさで、止まらなくなっていまいそうだったが、まだここは広い会場の一角。それぞれのブースを巡ることに。

ソムリエのセンスと人脈が光る個性豊かなブース

「余市」ブースでは、ドメーヌタカヒコを筆頭にここでしか飲めないワインが勢揃いしていた。見たことのないワインや「本当にあったんだ…!」というワインが並んでいる。

「今回のためにワイナリーさんにお願いして、特別に手配してもらったワインなので、通常では飲めないものばかりです」とソムリエの嶋村勇次さん。

[Domaine Mont]Pinot Noir AK 2021。ドメーヌタカヒコ一門でもある余市町登町の老舗農家、安芸(AK)ヴィンヤードのピノ・ノワール100%で造られた1本

「こんなピノ・ノワール飲んだことない!」という感動の1杯!

「個人的にはドメーヌモンさんのピノ・ノワールはぜひ飲んでいただきたい1本ですね。薄旨系赤ワインですが、薄いながらにちゃんと味がしっかりしている。すーっと飲めるのに飲み応えもあって、バランスがすごくいいんですよね。ずっとそばにいてほしい1本です。お料理は鴨と合わせたいですね!」と教えてくれた。

続いては、今回初出展のロゼワインのブースへ。一言でロゼといってもサーモンピンクから赤に近い色もあり、見た目が華やかで、ときめき必至の風景。

「ロゼは冷やしても、赤ワインのような温度でも楽しめるので、最もフードフレンドリーなんです。ほのかなあまみと旨みがありつつ、酸味もあるので全体的にすっきりとした味わいになるので、お肉でも魚でも野菜でも、煮物でも相性がいい。日本の食卓にもすごく合うと思います。白と赤のいいとこどりなので、ぜひ試してもらいたいですね」とソムリエの田中孝平さんも太鼓判。

[Cullen Wines]Dancing in the Moonlight

「僕のおすすめは、西オーストラリアの冷涼産地マーガーレットリバーで造られる『Dancing in the Moonlight』です。カベルネ・ソーヴィニヨン、ソーヴィニヨンブランなどのブドウを4種ブレンドした贅沢な1本です」

香りも華やかで、新鮮で活き活きとした味わいで、「ロゼワインっておもしろい!」と感じられるワイン。

続いては、フランスのワインがそろうブースへ。そこには教科書でしか見たことのないようなグランヴァンがずらり。カジュアルなワイン、新進気鋭のワインとともに、貴重なグランヴァンが飲めるのもまたこのイベントの特徴なのだ。

「通常グラスでは飲めないような敷居の高いワインをこういう場で楽しんでもらうことで、ワインをもっと知ってもらえたらと思っています」と話してくれたのは、[THE UPPER]シェフソムリエの石井賢さん。

[MATTHIEU DUMARCHER]ODYSSEE 2019

ボルドー地方のカベルネ・ソーヴィニヨンとローヌ地方のグルナッシュをブレンドした珍しい1本をおすすめしてくれた。

「ボルドーの著名な生産者とローヌの著名な生産者がコラボレーションして生まれたワインです。ボルドーでは、カベルネ・ソーヴィニヨンにローヌの品種を混ぜてはいけないのですが、これは混ぜることで、華やかな香りと今までになかった味わいを生み出しています。
ボルドーとローヌのいいところが生かされて相乗効果が生まれている。ワイン法にのっとったワインが造られてきたフランスですが、最近は各地の生産者同士のコミュニケーションも生まれていて、生産者自身の造りたいワインが生まれています。面白くなっていますね」と石井さんは教えてくれた。

さらに今回初の試みとして、所属のバーテンダーが集結し、各々の個性を光らせたシグネチャーカクテルも披露された。カクテルを傾けながらソムリエたちとの会話を巡らせて、新しいワインとの出会いを振り返ったりして。

貴重なワインや初体験のワインとの出会いはもちろん、ワインを知り尽くした目利きであるソムリエとの会話やワインを愛する人たちが集う場でのおしゃべりから、ますますのワイン沼にハマってしまうこと必至の『Transit Wine Fes’』。ワインっておもしろいなあ。
次回の開催を楽しみにしながら、さて、今日はどんなワインを飲もうかな?

TRANSIT WINE CELLARS
WEB transitwinecellars.jptransitwinecellars.jp/pages/sommelier(ソムリエページ)

THE UPPER
東京都千代田区丸の内1-3-4 丸の内テラス 9・10階
03-5962-9909
月曜〜金曜 11:00〜15:30/17:30〜23:00
土曜 11:00〜23:00
日曜  11:00〜22:00
IG @theuppertokyo
WEB the-upper.jp

Photo & Video by Kumi Nishitani(写真 西谷玖美)IG @___umum
Text by Ai Hanazawa(文 花沢亜衣)
Edit by Yoshiki Tatezaki(編集 舘﨑芳貴)

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