平野紗季子(株式会社NRS代表)×丸山智博(株式会社シェルシュ代表)

二人の経営者が語る、不安だった創業期とこれからのこと。


PromotionPromotion  / Dec 5, 2025

先輩・後輩経営者が語る創業期の本音は?

東京・代々木上原を中心に、レストランや居酒屋、ギャラリーなど複数の事業を展開する[シェルシュ]代表・丸山智博さん。対談のお相手は、お菓子ブランド[ノー・レーズン・サンドイッチ]を手がけつつ、フードエッセイスト・フードディレクターとしても活躍する[NRS]代表・平野紗季子さん。

華やかな 食の現場の裏側で、ふたりは日々どんな不安や壁と向き合い、どのように経営者としての一歩を踏み出してきたのでしょうか。

先輩経営者・丸山さんに、後輩経営者代表の平野さんが今まさに直面している悩みや葛藤を相談するかたちで、創業期の経験と本音に迫りました。

そして二人が実際に事業に活用しているアメリカン・エキスプレス(以下アメックス)のビジネス・カードについて、創業期の経営者にこそお薦めな理由とは。

事業をはじめたきっかけは想定外?

ー まずは、おふたりのこれまでの関係から教えてください。

丸山 いろいろな媒体でうちのお店を紹介してくれたり、先日は僕が関わっているヨーグルトのイベントにも来てくれましたよね。とてもお世話になっています。僕はずっとファンなんです。

平野 え〜、嬉しいです!

丸山 いつも言ってるんですけど(笑)。

自らの経験をまっすぐに語る丸山さん。その言葉には、現場と経営を行き来してきた深みがある。

ー 平野さんも、丸山さんのお店にはよく行かれているんですか?

平野 そうですね。丸山さんって、いろいろなお店をやってらっしゃるので。「新しい素敵なお店ができてる!」と思ったら、「また丸山さんだ!」ということがよくあります(笑)。最初にお会いしたのがいつだったか、あんまり記憶にないのですが、気づいたら知っていて、勝手に尊敬も信頼もしていた……みたいな存在です。

ー 今日はそんなおふたりに、経営者の“先輩”、“後輩”としてお話を伺えればと思います。まずは、それぞれ事業を始めたきっかけから教えてください。

丸山 僕は大学時代に飲食店でアルバイトを始めて、料理ってすごく楽しいなと思ったのが最初です。当時、渋谷や代官山に先輩たちが営むカッコいいカフェがあって、そこに通ううちに「いつか自分もお店を持ちたい」と思うようになりました。そのためには、まず料理をきちんと学ぶことが近道だと考えて、大学卒業後にフランス料理の道へ。修行を重ね、料理長も経験しながら腕を磨いていた29歳のときに、[メゾン サンカントサンク]の物件を前オーナーから引き継ぐ形で、準備もないままオーナーになりました。きちんと計画してというより、突然チャンスが巡ってきて、その流れにのった。そんな始まりでした。

創業時の悩みを相談する平野さん。事業の不安も、先輩経営者・丸山さんの言葉を聞いて少しずつほどけていく。

平野 私は[ノー・レーズン・サンドイッチ]というお菓子ブランドを運営しているのですが、始まりは本当に“部活”のような感覚でした。もともとレーズンが苦手なのに、レーズンサンドという存在にはずっと憧れがあったんです。じゃあ、レーズンが入っていないレーズンサンドなら、自分でも食べられるのでは? そんな個人的な夢からスタートしました。ただ、自分のためだけに誰かに作ってもらうのは申し訳ないので、いっそブランドとして形にしてみよう、と考えるように。[PATH]や[Equal]を手がけるパティシエの後藤裕一さんにお菓子を作っていただいて、月に1回くらいのペースで販売していました。ただ何年か続けるうちに、このままだと「誰かが ”辞めよう” と言ったら終わってしまうのでは?」と気づいて、続けるためには、ちゃんと事業として会社にしたほうがいいのかなと思い、2021年に法人化しました。

大切なのは “友だち” をたくさん作ること

ー お話を伺っていると、おふたりは “最初から起業を目指していた” というより、流れの中で事業が立ち上がっていった印象があります。創業のために、事前に綿密な準備や勉強をしていたわけではなかったのでしょうか?

丸山 僕は本当に料理しかしてこなかったんです(笑)。こんな自分が始めちゃってよかったのかなと思いながら、手探りで進んできました。ただ、「料理に全力で向き合うこと」と「友だちをたくさんつくること」、この二つだけは大事にしてきました。振り返ると、その積み重ねが今すごく役に立っていると感じます。

平野 私も「起業したい!」という強い意思があって始めたわけではなかったので、最初は本当に何もわからない状態でした。でも、わからないなりに動き始めてみると「助けてくれる人ってこんなにいるんだ」という発見があって。丸山さんが 「友だちが多いことが大事」とおっしゃっていましたが、私もその言葉にはとても共感します。

丸山さんと平野さんは奇遇にもそれぞれ29歳のときに、独立、[NRS]立ち上げにトライ。思いがけない一致に盛り上がる。

創業時には避けられない大きな借入の不安

ー そんな中で、創業当時いちばん不安だったことはなんでしたか?

丸山 まずは経理がまったくわからない。本当にそれに尽きます。恥ずかしい話ですが、日本の社会の仕組みすらよく理解していなかったんです。それまでは個人オーナーのもとで働いていたので、いざ自分が経営者になると、経費はもちろん保険や税金のことまできちんと管理しなければならない。そういうところからのスタートでした。

平野 私は お金をたくさん借りないといけないのかという不安がとても大きかったです。お菓子屋さんを始めるにあたって、どうしても自社工房で作りたい気持ちがあったんです。委託製造という選択肢もあったのですが、自分の目が届く環境で、クッキーの焼ける匂いを感じながら働きたいと思いました。そうなると、やっぱり自社工房しかないなと。でも工房を作るとなると、数千万円単位の借入が必要になります。「これを返し終える頃、私は何歳なんだろう」「失敗したら、この借金を背負うことになるのか」と考えると、本当に震えるほど不安でした。ちょうど春で、桜が咲いていた時期だったのですが、「来年もこの桜をきれいだと思って見られるといいな……って(笑)」。それくらい、当時は重く受け止めていました。

丸山 わかる! 不安だよね。自分のことも思い出してきた(笑)。

創業時の思い出アイテム。丸山さんは[ベルナルド]のプレート。「初めてフランス料理を学んだお店で、シェフが使っていたお皿。自分の店を始めた当初、“どうしても同じお皿がほしい” と思い頑張って購入しました」。平野さんは起業と経営について学べる本を。「右も左もわからないまま会社を作ったので、お守りみたいに1ページずつめくりながら勉強していました。いま思えば、初期の相棒のような存在でした」

平野 2年目の夏は本当にきつかったです。洋菓子って夏にこんなに売上が落ちるんだ……と暑くなると売り上げが落ちて寒くなると上がるのは常識らしいのですが、私はそういうことも知らなくて。「秋になっても戻らなかったらどうしよう」「終わってしまうかもしれない」と心配で。でも、季節が変わると売上が回復して、「じゃあ来年の夏はこう乗り越えよう」と対策できるようになりました。そんな経験を重ねるうちに、少しずつ 痛みに耐える力がついていった気がします。最初は繊細なシルバーナイフみたいだった心が、気づけば木刀くらいになっていたというか(笑)。

丸山 一度しっかり しんどさを経験すると、自分は何が耐えられないのかという輪郭が見えてくるんですよね。でも、そうやって自分を知ることも含めて、経営者というのはある意味自分を成長させてくれる存在なんだと思います。

いかに働きやすい環境を作るかが共通の課題

ー その中で、経営者としての大きな転機になった出来事はありますか?

丸山 2013年に2店舗目となるフランス料理店[グリ]をオープンし、その後近くに[ランタン]も開き、当時は同じエリアに3店舗構えるようになりました。その頃は、まだオーナーシェフとして毎日仕込みをして、夜も現場に立ち続けるという日々でした。でも、そうやって現場に入り続けるうちに、スタッフ同士の人間関係がこじれたり、「辞めたいです」という声が続けて出てきて。ふと「チームとして全然うまくいっていないのかもしれない」と気づきました。自分たちの会社は何のためにあるんだろう、どんな場でありたいんだろうって……

平野 そのお話、まさに今私も考えています。会社の規模が大きくなり、スタッフが増えるにつれて、働いてくれている人が幸せでいられる環境作りについて強く意識するようになりました。どうしたらすこやかな組織を作れるのかを模索し続けています。

丸山 僕はそのとき、アイドルにとってのマイクではないけれど、料理人としての「包丁」をいったん置くべき瞬間なのかもしれないと感じたんです。誰かに現場を任せるのも怖いし、逆に経営者としてきちんと向き合えるのかという不安もありました。それでも、最初から一緒に働いてきた男性スタッフが2代目料理長を引き受けてくれることになり、そこで自分もしっかり「社長」として向き合おうと決めました。初めて真剣に経営の本を読み、会計士さんを紹介してもらって相談を始めるようになりました。料理人から 経営者へと意識を切り替えたんです。創業してから、経費管理もとにかく大変だったので、それを効率化するために、アメックスのビジネス・カードを最大限活用してきました。

平野 私もアメックスのビジネス・カードには経費管理の面では本当に助けられていて、それ以外の場面でも事業をしていて“持っていて良かったな”と思うことがたくさんあります。

ビジネス・カードを持つことのメリットは?

ー いまは事業のどんな場面でビジネス・カードを活用していますか?

丸山 交際費や消耗品、備品の購入など、経費の支払いはビジネス・カードでまとめています。

平野 私も経費の支払いがメインですが、他にも仕事で海外に行くときにとても役立っていて、レストランやお菓子屋さんを巡るときに、予約がすごく取りにくいことがあるんです。オンラインで予約できなくて、現地の言語で国際電話するしかない……みたいなときに、アメックスのコンシェルジュさん*に連絡して予約を取っていただいたり。「イタリア・ミラノのこのレストランを日のランチでお取りしました」って連絡が来ると、あ〜助かった〜!って、毎回感動します。

*アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・プラチナ・カードの特典です

アメックスのビジネス・カードを手に取り、体験談を交わす二人。経営者同士だからこそ分かち合えるエピソードで盛り上がる。

丸山 僕は最近、カードが見当たらない!ってことがあったんですけどアメックスに電話したとき、対応が本当に丁寧で。こっちも焦っているから言葉足らずで話してしまっているのに、きちんと状況を汲み取ってくれて、本当に優秀な人たちがサポートしてくれているんだなと実感しました。

平野 宿泊先をアメックスのホテル予約サービス経由で予約するとレイト・チェックアウト*がついてくることもあるんですよ。海外出張に行ったとき、レイト・チェックアウトのおかげで、ゆったり打ち合わせに参加できたり。そんな活用もさせてもらっています。キャッシュバック(アメックス・オファー)をチェックして会社の備品などをまとめて買っていて、コスト削減にもつながっています。

ー 創業タイミングを振り返って、ビジネス・カードを持つことのメリットはどんなところだと感じますか?

平野 時間を生み出してくれることかな、と思います。旅先でのサポートもそうだし、経費管理の手間が省けることで、本来やりたい仕事に使える時間が増える。もちろん年会費はかかるけれど、そのぶん自分ひとりではできないことをサポートしてもらえる。それはお金に代えられないし、すごく価値を感じます。

*アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・プラチナ・カードの特典です

アメックスのビジネス・カード。支払いまわりの相談受付など丁寧なサポートや、充実の特典でビジネスオーナーの毎日をスマートに支え、効率よくポイントを貯められる。

丸山 僕は信頼できる店舗の従業員に追加カードを渡しています。複数の店舗があるので、店舗の従業員がそれぞれ決済できることやまとめて管理できることでとっても助かっています。また、カードが見当たらないときにも改めてアメックスのビジネス・カードを持っていてよかったと思いました。もし他のカード会社だったら、ここまで迅速に対応してもらえなかったかもしれないと。あのときのハラハラした気持ちを考えると、電話一本で状況を理解して、安心させてくれたことだけでも、年会費以上の価値があるな、と感じましたね。

平野 だからこそ、会社を立ち上げたタイミングでビジネス・カードを持っておくことって、いいなと思うんです。経理の時間が短縮できるのはもちろんですが、実はそれ以外の細かな作業——予約の管理だったり、支払いの調整だったり——そうした時間を取られる作業がまとめて整理されていくんですよね。その時間が減るだけで、本業に集中できる余白が生まれるし、気持ちの余裕も全然違う。想像以上に大きな価値があると思います。

創業時こそ役に立つビジネス・カードのサポート

ー これから創業を考えている方へはどんなことを伝えたいですか。

取材場所となった東北沢の[Lanterne はなれ]にて。経営者としての視点も、料理人としての技も。その両方を持つ丸山さんの姿に見入る平野さん。

丸山 昔は「お店を持つなんて、夢のまた夢」だと思っていました。内装もメニューもBGMも、全部自分で決めなきゃいけない。ハードルがすごく高いことのように感じていたんですけど、いまは設計のプロやデザイナーなど、いろいろな人とチームを組んで店づくりができる時代です。必要なことを上手に周りに預けながら、一歩ずつ前に進める。創業のタイミングでビジネス・カードを持っておくと、経費管理も最初から整うので、余計なところに気を取られず、やりたいことに集中できる土台がつくれるのも大きいと思います。うちで働くスタッフにもどんどん挑戦してほしいと伝えていますし、これから独立を考えている人にも、大変さの分だけ、めちゃくちゃ楽しいことも待っているよと伝えたいですね。

この冬から提供される新作のおでんを、平野さんがひと足先に試食。「美味しいです!」と感激の声がこぼれた逸品。

平野 私も「最高の思い出づくりができますよ」と伝えたいです。私自身、「なんでこんなに大変なのに頑張っているんだろう」と思う瞬間もあるんですけど、結局のところ、「自分の頭の中にある景色を、みんなと一緒に見てみたい」という気持ちが原動力なんだと思います。仲間たちと一緒に、自分たちの手で何かを形にしていく。それって、きっと人生のなかでもかけがえのない思い出になる。もちろん、お金や責任の重さに向き合う場面もたくさんあります。だからこそ、創業のタイミングでビジネス・カードのようなサポートを持っておくことは、とても大きいと思うんです。そうした支えがあるだけで前に進む力が生まれて、その先に “見られる景色” も確実に増えていく。そう信じて、これからも歩んでいきたいなと思っています。

丸山さんと平野さん、それぞれの物語の裏側には、“ひとりの料理人/書き手” としての自分と、“経営者”としての自分を行き来しながら、悩み、学び、また一歩進んでいく姿がありました。そんな日々の中で、アメックスのビジネス・カードは、経費管理をスムーズにし、旅や出張を支え、ときに不安な瞬間に安心をもたらしてくれる存在でもある。新しい店を開き、ブランドを育て、まだ見ぬお客さまと出会っていく――。

これからの “新米経営者” にこそ、ビジネスカードという心強い相棒を、そばに置いてほしい。そんな想いが伝わってくる対談でした。

創業期を支える、アメックスのビジネス・カード

・口座不要で申し込みが可能なので事業の実績や銀行口座がないタイミングでも、カードのお申し込みが可能。
・カード会員を繋ぐビジネス・マッチングなどのサービス
・従業員の専用の追加カードで、経費の一元管理が可能。

丸山さんや平野さんのようなビジネスオーナーにとって、創業期から寄り添ってくれる 仕組み支えは欠かせない。日々の経費管理を整え、旅や出張のサポートを受けながら、安心して前に進むための一枚——それがアメリカン・エキスプレスのビジネス・カードです。

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詳細やお申し込みについては、こちらをご覧ください。

(プロフィール)
丸山智博
株式会社シェルシュ代表。大学卒業後料理の道へ。フランス料理店 外苑前[ラミ・デュ・ヴァン・エノ]にて榎本実シェフに師事。その後都内のビストロやカフェでシェフを務めながらケータリング事業をスタート。現在は直営店の運営、アパレル等のパーティーを中心にケータリングを行うほか、日本全国のカフェ・レストラン・居酒屋のプロデュース/ディレクション、コンサルティング及びメニュー開発を行う。

平野紗季子
フードエッセイスト/フードディレクター、株式会社NRS代表。小学生の頃から食日記をつけ続け、大学在学中に始めた食のブログが話題となり文筆活動をスタート。現在は雑誌や文芸誌で多数の連載を持つほか、ラジオ・Podcast番組「味な副音声」(J-WAVE)のパーソナリティ、NHK「きみと食べたい」へのレギュラー出演、菓子ブランド[(NORAISIN SANDWICH]の代表など、活動は多岐にわたる。

Lanterne はなれ
東京都渋谷区上原3-25-9
17:00~23:00 (火水定休)
IG:lanterne_hanare


Photo by Masayuki Shimizu(写真 清水将之) 
Text by Shingo Akuzawa(文 阿久沢慎吾)
Edit by Nanako Aoki(編集 青木南凪子)

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