冷たい麺特集 おうちでレシピ

[ハノイハノイ]に教わる“ブンチャー”


RiCE.pressRiCE.press  / Jul 25, 2026

ブンチャー。ブン(米粉麺)チャー(炭火焼の豚肉)。
焼いた肉やなますを加えた甘酸っぱいツユに麺をくぐらせ、たっぷりの葉野菜とハーブとともに食べるベトナムのつけ麺を、みなさんはご存じだろうか。

味の軸になるのは、発酵調味料のヌクマム。そこに砂糖や酢の甘酸っぱさが重なる。米の麺と発酵、甘酸っぱい味わいなんて、どこか和食にも通ずるものがある。

ブンのパッケージ。こういう細かい配色から感じられる異国感が、とっても好きです。

ちなみにブンは、オンラインショップやアジア食材店で気軽に買える。東京なら、新大久保に行けば選び放題だし、最近は探してみると意外といろいろな街で見つかる。

新婚旅行で行ったベトナムでのバインミーに衝撃を受け、日本で紹介したいと思ったそう。

今回ブンチャーのレシピを教えていただいたのは、北千住にあるベトナム料理店[ハノイハノイ]の店主・中根綾子さん。
ベトナム雑貨を販売する傍ら、バインミー店を始めたのは、今から18年ほど前のこと。
「みんなフォーばかり食べるけど、ベトナム料理は基本ごはんとおかずを食べる文化。せっかく“ベトナム料理”を食べに来ているんだし、フォー以外も楽しんでほしい」。そんな思いから、現在はセットランチと予約制のディナーコースを提供している。

「意外と簡単にできちゃうし、絶対日本人が好きな味だと思う」と中根さん。
そんなの知りたいでしかないので、ブンチャーのレシピ、さっそく見てみよう。

異国情緒の中に、どこか懐かしさを感じる店内。

◎材料(4人前)
ブン お好みの量
お好みの葉物野菜やハーブ類 たっぷり
ライム 1/8カットを4

<焼肉・肉団子>
豚バラ肉(塊) 350g
(豚こま肉200gと豚ひき肉150gでもOK)
肉ダレ
・玉ねぎ 1/4
・ニンニク 1かけ
・しょうが 1かけ
・レモングラス  1
(レモングラスがなくてもおいしいけど、余った分は冷凍できるので、この機会にぜひ。)
・ヌクマム 大さじ2
・砂糖 小さじ2
・胡椒 小さじ1 

<なます>
大根 50g
にんじん 50g
甘酢調味料
・砂糖 大さじ2
・酢 大さじ4
・塩 小さじ1/2 

<麺つゆ>
ヌクマム 大さじ51/2
砂糖 大さじ4
酢 大さじ3
ニンニク 2かけ
お湯 500mL
唐辛子 12本(お好みで)

レシピの落とし穴は、途中で出てくる「寝かせる」の一言にある。
まずは時間のかかる仕込みたちから。

■なます
1. 大根とにんじんは銀杏切りにして、ひとつまみ分の塩を振って混ぜ、5分置く。
2. 水で洗って軽く絞るか、ペーパーで水分をよく拭き取る。
3. 甘酢調味料を鍋に入れ砂糖を溶かし、沸騰する前に火からおろす。
4. 粗熱が取れたら、大根とにんじんを入れ、常温で23時間ほど漬ける。

■肉の下味
1. 玉ねぎをすりおろし、ニンニク、しょうが、レモングラスをみじん切りにする。肉ダレの調味料と混ぜ合わせる。
2. 豚バラ肉350gのうち200g812枚ほど薄切りにする。残り150gは包丁で細かく切った後、叩いて粗めのミンチ肉にする。

代わりに豚こま肉、豚ひき肉を使ってももちろん大丈夫。ただ意外とすぐできるし、ぜひやってみてほしい!

3. それぞれの肉に油小さじ1(分量外)をかけた後、肉ダレを半量ずつ混ぜ、冷蔵庫で30分ほど置く。

■ブン

フォーもブンも水につけることで、茹で時間が短縮される。

好みの量を、たっぷりの水に30分ほどつけて戻す。

それぞれの下準備は終わりましたかね。では、いよいよ仕上げへ。

1. ブンを沸騰したお湯で1分半ほど茹で、水洗いして水気を切る。
2. ひき肉は粘りが出るまでこね、8等分に丸め、真ん中をくぼめる。
3. フライパンにサラダ油大さじ1/2(分量外)を敷き、丸めたミンチ肉を中火で焼く。

このとき、油が温まる前から焼き始めるのがベトナム流。

4. 片面に焼き色がついたら裏返し、弱火にして蓋をする。4分ほどじっくり焼き、中央が膨らんだら焼き上がり。
5. フライパンの油を拭き取り、薄切り肉を並べる。豚バラから脂が出るため、油はひかなくてOK

本来ベトナムでは、肉は炭火で焼かれる。その炭火感を出したいので、薄切り肉も肉団子も、がっつり焼き目をつけちゃってください。

6. 麺つゆを作る。それぞれの調味料を器に入れ、お湯を注ぎ砂糖が溶けるまで混ぜる。辛いもの好きは、カットした唐辛子を加える。
7. 薄切り肉と肉団子を器に入れ麺つゆを注ぎ、なますをのせる。

お好みで胡椒を少々振る(分量外)。

8. 大皿に、レタスやわさび菜などの葉物野菜と、パクチーやバジル、ミントといったハーブをたっぷりのせる。麺も小分けにして盛り付ける。

「ブン チャー ジョー」といって揚げ春巻きを一緒に添えるのもベトナムスタイル。お好みでぜひ◎

9. 麺を野菜やハーブと一緒に麺つゆにつけたり、上からかけたりして肉と一緒に食べる。

ライムを絞って食べても、酸味が食欲を刺激しておいしい。

恥ずかしながら、これまでベトナム料理=フォーとバインミーの二刀流でやってきた私も、ブンチャーを知った今、もうゾロになりました。

おいしいのはもちろんだけど、中根さんが自分の皿を作ってくれているのを見て、何とも言えないノスタルジックさに胸までいっぱいになった。
ブンチャーなのに、ルーツなんてないのに。

ベトナム料理は、タレとハーブがカギなんです。

みんなで大皿を囲み、膝を突き合わせて食べる時間は、今となっては最高の贅沢なのかもしれない。

そしてハノイハノイでは現在、予約制のディナーコースでブンチャーを提供している。
このレシピでつくる家庭の味ももちろん楽しんでほしいけれど、ぜひ [ハノイハノイ]で中根さんのブンチャーも味わってみてほしい。

2階のちゃぶ台を見た瞬間、口から出る言葉は「ただいま」だと思うから。

ハノイハノイ
東京都足立区千住1-28-13
Lunch 12:0015:00
Dinner(コース・予約制)19:0022:00
月・火定休
IG @hanoi__hanoi

Photo by Ryo Nagata(写真 永田崚) @nature_nagata
Text by Terra Owen

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