ワイルドエールの豊かな酸
ナチュラルワイン好きの円井わんさんに刺さった
6月6日に発売した『RiCE』本誌のビール特集で、ワイルドエールの世界を体験した俳優の円井わんさん。「ナチュラルワインが好き!」というわんさんに、きっと刺さるはずだという期待を胸に、幡ヶ谷[SENNE]を訪れた。
「ビールの概念が変わった」。3つのワイルドエールを初体験
「ナチュラルワイン、特にオレンジが好きです。焼酎のお茶割りを飲むことも多いかな。クラフトビールも好きですよ。IPAとか苦味のあるものでも、どの種類もわりと飲みます」と、普段からいろいろなお酒を楽しんでいるわんさん。ちなみにワイルドエールは今日が初体験とのこと。
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[SENNE]はクラフトビールのインポーター、DIG THE LINEが運営する店。“ワイルドエール”と通称される自然発酵系のビールや、同じく自然的な造りをしているワインなど、さまざまなお酒を料理と一緒に楽しむレストランだ。また地下には巨大なセラーがあり、ボトルを買って帰ることもできる。
[SENNE]のお酒担当・木村駿吾さんのナビゲートで、今日は3種類のワイルドエールをテイスティング。途中ビールに合わせた料理もサーブされ、ペアリングも体験。
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「Oude Geuze 1871/Boerenerf」
一杯目はベルギーのブリュッセル、ゼンネ川付近でのみ造られる「ランビック」というスタイルのスーパーナチュラルビール。ちなみにゼンネ川(Senne)はお店の名前の由来でもある。
「1871年のレシピをリバイバルさせているブルワリーです。普通のビールは1ヶ月ほど発酵させれば出来上がりますが、ランビックは空気中の野生酵母を使うので、最低でも1年はかかる。これは完成したビールをさらに木樽で1〜3年熟成して、いくつかブレンドしています」という説明に、「すごい。そんな手の込んだビールなんですね」と興味津々のわんさん。
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「ワインみたいな香りがします。酸味がすごい。昔のビールってこんな味だったんですね!」
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「Stein SENNE HATAGAYA/KEMKER KULTUUR」
プラムとスローベリーを漬け込んだビールをブレンドした「Stein SENNE HATAGAYA」は、ドイツ・ミュンスター地方の生産者、KEMKER KULTUURがお店のために仕込んでくれたもの。ラベルデザインは[SENNE]のアイコンである石のカウンターがモチーフ。
「後味に梅のような風味を感じます。フルーツ感があって、旨味がぎゅってしてる!」
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「Druif/Tommi Sjef」
最後はオランダ・北ホラントの「Druif/Tommi Sjef」は、ワイン用のケークフランコシュという葡萄を漬け込んだワイルドエール。マスカルポーネチーズを使った「台湾パイナップルの白和え」も合わせてみる。
「これめっちゃ不思議です。オレンジワインっぽさもあるし、渋みも感じる。台湾パイナップルの甘味とこの渋みがめっちゃ合う〜」と眉間を寄せて唸るわんさん。オレンジワイン好きとしては、一番好みだったよう。
木村さんの説明を熱心に聞きつつ、裏ラベルをチェックしたりと熱心に味わうわんさん。味わいだけでなく、お酒のストーリーにも興味があるそう。
「お寿司屋さんでアルバイトしていたことがあって、日本酒の造り手や産地のことを勉強するのが面白かった。背景を知ってから飲む方が、より美味しく感じますよね」
ちなみにわんさんは、どんな時にお酒を飲みたくなるのだろう?
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「仕事の区切りがついた時にお酒を飲んで、気分を切り替えるのが好きです。仕事帰りに、近所のお気に入りのイタリアンで一杯飲んだりします。友達と家飲みするのも大好きで、ワイン1本とか飲んじゃうことも。次の日が大変ですが(笑)」
ビール以外のお酒にもトライ。“自然発酵”の文脈からボーダレスに広がるお酒の世界
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「ビールの概念が変わりますね」と、新しい扉が開いてきたわんさん。「それならば……」と木村さんの提案で、ワイルドエールに近しい、自然で古典回帰的な造りをした別ジャンルのお酒も飲んでみることに。
試したのは日本酒、オレンジワイン、ライシージャの3種。
日本酒は鳥取県・久米桜酒造の「カルシス」。杜氏が“民俗醸造”と謳う、野生酵母を使った手法で醸される銘柄で、アルコール度数10%と優しい飲み心地。オレンジワインはイタリア・フリウリで“教授”と呼ばれリスペクトされるVodopivecの「vitovska」。完熟の葡萄を使っていて、昆布だしのような凝縮された旨味が唯一無二。仕上げは、オーガニックのアガベと野生酵母で醸したライシージャ「 Sierra Volcanes/LA VENENOSA」。こちらはストレートでいただく。
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「どれも酸味があるけれど、ニュアンスが違っておもしろいです。日本酒は丸みがあって、オレンジワインはそよ風みたいな感じがします。ライシージャはたしかにヤクルトっぽい酸味もあるし、燻製みたいな香りが混じって山小屋を思い出します。やばい、私もう仕事終わります今日(笑)」。
野生酵母、長期発酵、樽熟成。そこから生まれる魅惑の酸。ワイルドエールの文脈を辿って、お酒の世界はどんどん広がって行きます。
「ビールにも自然的な造りがあるんだって知れて、これからハマりそうです。ビールは最初の一杯だけ、なんて言ってたらもったいないですね。他のお酒も初体験ばかりですごく楽しかった〜」。
絶賛MV製作中。ディレクター・円井わんとして“ゼロイチ”に取り組む理由
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わんさんには、実は映像ディレクターとしての一面もある。最近では、仲間と一緒にシンガーソングライター眞名子 新さんのMVを制作した。
「6/17にリリースされる眞名子くんの新しいアルバム『良くなった動物』の中の、『右目に稲妻』のMVをつくりました。
これまでにも、MisiiN主導の映像プロジェクト「THE NUDE FICTION」でプロデュースやキャスティングを担当したり、コロナ禍に短編映画を製作するなど、積極的に“つくる仕事”に取り組んできたわんさん。俳優業とは別のライフワークがあることで、自分の中のバランスが取れるという。
「俳優は“イチヒャク”をつくる仕事なので、“ゼロイチ”をやりたい気持ちがあります。10年以上俳優をやってきて、ときどきしんどくなることもあるんです。台本が覚えられないスランプに悩んだり。“ゼロイチ”のものづくりに向き合うと、脳みそが違うベクトルに切り替わって、凝り固まったものがどんどん解きほぐされる。本業とは別のライフワークがあるって、自分のとってはすごく大事なんだと思います」。
ちなみに「致死量観てきた」と豪語するほどMV好きで、MV製作は長年の夢。プロデューサーとして一緒にチームを組む西小路舞姫さんは、わんさんのキレキレのディレクション力を絶賛する。
「突き進む力がすごいんです。表現したいイメージがはっきりしていて、違和感があると『それじゃない!』ってバシッと言う。チームを引っ張ってくれるので、みんな密かに『お母さん』って呼んだりしています(笑)」
取材時は、MV編集作業真っ只中のタイミング。そのプロセスの合間にも時にチームでお酒を飲みながら語り合い、クリエイティブに磨きをかけてきたという。
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「撮影の日は朝4時とかから動いてたんですけれど、みんな楽しすぎて、終わった後も夜中の2時くらいまで飲んじゃったり。編集は私の家で集まってしているんですが、ガーッと集中して作業して、一段落した時に飲むお酒がまたおいしくて」。
わんさんたちが手掛けた眞名子さんのMVは6月17日に公開したばかり。きっとわんさんたち制作チームもどこかで乾杯しているはず。RiCE読者もビール片手にとくと味わってほしい。
円井わん
俳優。1998年生まれ、大阪府出身。NHK連続テレビ小説「ばけばけ」でヒロインの親友・サワ役を好演。26年1月公開の映画「ヒグマ!!」ではアクションにも挑戦。俳優業のかたわらMV制作にも携わる。26年6月中旬にはディレクターを務めた眞名子 新の新譜「右目に稲妻」のMVが公開中。SENNE
クラフトビールのインポーター・DIG THE LINEが運営する、自然発酵ビールとナチュラルワインを楽しめる酒場。一階がレストラン、地下は巨大なセラーになっており、ボトルショップとしても利用できる。東京都渋谷区幡ヶ谷2-47-1
15:00〜23:30
IG @senne_hatagaya
Photo by Yuki Nasuno(写真 那須野友暉)IG @yuki_nasuno
Text by Asako Inoue(文 井上麻子)IG @achalol
Hair&Make by Naoto Iwamura(ヘアメイク 岩村尚人)IG @spielen_mg
Styling by Kan Fuchigami(スタイリスト 渕上カン)IG @fk_info
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